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いきなりの大雪、今すぐできる積雪・寒さ対策デジタル防災を始めよう(2/2 ページ)

» 2022年01月07日 09時25分 公開
[戸津弘貴ITmedia]
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今すぐできる積雪、寒さ対策

重ね着と要所の防寒対策を重点的に

 登山やキャンプなどのアウトドア愛好者にとってレイヤリング(重ね着)は必須の知識だ。肌に触れるインナーは吸水性がよく速乾性の素材で、ミドルレイヤーは起毛フリースなどの暖まった空気を溜め込むもの、アウターは風を防ぎ、雪や雨を通さない防水素材のものが望ましい。

 アウトドアファッションでなくとも、アウターは革ジャンとかコート、ミドルレイヤーにセーターやフリース、インナーはできればレーヨンを含まない保温(発熱)インナーが望ましいが、この際ヒートテックでも構わない。

 首や手足、頭などの末端を手袋やマフラー、ネックゲイター、帽子など着用して体温の発散を防ぐのも効果的だ。新型コロナウイルス対策でマスクは常に着用しているので対策は万全だ。帽子などがなくてもイヤーマフや場合によってはヘッドフォンを装着するなど可能な限り露出を減らす努力をしよう。

photo 帽子だけでなく、ヘッドフォンの装着も効果がある

靴下はできればウールのものを

 雪や凍結で冷えた路面を歩くと、冷気が靴底から染みてくる。なるべく厚手の靴下を履きたいところだが、靴のサイズが合わなくなる可能性もある。もしも手元にウールの靴下があればそちらを履いてほしい。

 歩いたり、立った状態で作業すると寒くても足には汗をかく。重ね着の項でも解説したが、吸水性がよく速乾性のアウトドア用のものか、ウールのような保水しないものが良い。汗で湿った状態が外気によって冷えるとより冷たさを感じてしまう。帰宅したら靴を乾かしたり、靴下を履き替えるなど、足をドライに保つことを心掛けよう。

毛布は敷布団の上に、掛け布団の上からは薄い毛布かタオルケットで保温力アップ

 毛布を体の上にかけて寝る人が多いが、寒さを防ぎたい場合には体の下に敷いたほうが効果的なことがある。暖かさは敷布団側から下に向けて逃げることが多いので、毛布で体温を逃さないのが重要。羽毛の掛け布団の場合には、上から暖かさが逃げないよう、薄い毛布やタオルケットでカバーする。重い毛布を羽毛の掛け布団の上からかけると重さで羽毛が潰れて暖かい空気を溜め込まないのでNGだ。

加湿器を組み合わせて暖かさをアップ

 湿度が低いと、室温をいくら上げても寒く感じるもの。石油ストーブに乗せたやかんが湯気を立てているのは視覚以上に実質的な効果がある。理想的には湿度を50%以上に保つのが良い。加湿することで、喉を守り風邪などの予防にもなる。

暖房のダイバーシティーを

 東京の電力需要が逼迫するのは、暖房をエアコンに依存している場合が多いからだ。石油ストーブが使えるならそちらを使うほうが暖かいだろう。だが、石油ストーブを禁止している賃貸物件も多い。

 エアコンで部屋全体を暖めるには多くの電力が必要だが、部屋のドアやカーテンを閉めて、なるべく着込んだ状態でエアコンをかけるなどの工夫や、白湯を飲むなど内側から暖まる方法もある。

 準備期間があれば、必要なものを買うなどの対策もできるが、今の今では、エアコン以外でも暖を取れる人はそちらをなるべく使って、エアコンしか頼れない人のために電力を融通するしかない。エアコンしかない人も、重ね着と肌をドライに保つことを意識して体温を逃さない、冷やさない工夫を心掛けたい。

歩くときは足を地面と平行に置く

 積もった雪は次第に溶けるが、溶けかけの雪は意外と滑りやすい。また、気温が低いと再び凍結する恐れがある。そんなとき、普段のようにかかとから接地するように歩くとズルっと滑り、転んでしまうこともある。雪国育ちの民は、地面と平行になるように足を置き、歩幅も狭く歩くので、それを参考に歩いてみよう。

 また、歩行中はもちろん、信号待ちなど立ち止まっている時も周囲に気をつけたい。凍結した路面で滑るのは自分だけでなく、他人やクルマ、自転車なども滑るのだ。滑ったり転んだりした人とぶつかったり、ノーマルタイヤでスリップした(コントロールを失った)クルマが突っ込んで来ないとも限らない。

 クルマを運転する人は、屋根の雪をはらってから出発するようにしたい。ブレーキを踏んだ際に雪がフロントガラスに落ちてきて視界が遮られる恐れがある。また、路面は凍結していると思って急ブレーキを踏まないのはもちろん、とにかく慎重に運転することと、ノーマルタイヤでは絶対に運転しない強い決意が必要だ。

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