かくいう筆者も、このR51-03規制に触発されて、昨年、2021年にGT-R nismo Special Editionの2022年モデルの購入を決断した。
上でも触れたように、日産は、GT-Rを「フェーズ2規制に対応してさらに継続生産するか」あるいは「生産を終了するのか」については最終決断を先送りしている。本稿執筆時点の2022年1月時点においてもその方針を明らかにはしていない。
このため、2022年モデルが発表された2021年春の時点では、2022年モデルが最終モデルとなるかは当然のことながら不明だったわけだが、昨今のゲーム機転売ブームではないが、購入できるときに買わないと買えなくなったり、不当に価格をつり上げられたりするので、2021年に入ってからの筆者の決断は意外と早かった。
とはいえ、2021年に入るまでは、既に2013年モデルのGT-Rを所有していた筆者に「買い換える」という思念が芽生えることは自分でも想像していなかった。
というのも、筆者は、本連載、第1回で触れたように、GT-Rとの出会いのきっかけとなった人物である元GT-R開発責任者の水野和敏氏が手掛けた最後のモデルである2013年モデルを気に入っていたからである。この辺りの心境の変化については、話がまた長くなりそうなので(笑)、いずれ回を改めて語るとして、本稿では、オーダーが成立して納車が成されるまでの経緯についての話に移るとしよう。
GT-R nismoの2022年モデルとGT-R nismo Special Editionの先行発表会が行われたのは4月のことだった。
この発表会には筆者も参加。そしてその直後、それこそその日の帰路中に、これまでお世話になってきていた地元の日産ディーラーを訪れて自分の担当者に購入の意思を伝えた。ただ、この4月の時点の先行発表会では価格情報は開示されていなかったので、シンプルに「今年、自分はGT-R nismoか、そのSpecial Editionを買います」という意思表明をしただけであった。
そこから1カ月ほど経った2021年5月中旬の某日。全国の日産ディーラー(GT-R取り扱い店の日産ハイパフォーマンスセンター)販売店に日産本社からの「商談開始可能」の通達がなされ、筆者のところにも担当者から連絡がきた。
筆者は、その電話から間髪入れず、5月14日に実際に地元日産ディーラーを訪れて、PCプリンタで印刷されたような仮のパンフレットを見ながらの商談を行った。
2012年より所属しているGT-Rオーナーズクラブの方からの情報によれば、先行して購入意思を伝えていた筆者のような人々には一律、このタイミングで担当者からの連絡がきたようである。
机上の仮パンフレットには、既にSpecial Editionの価格情報が記載されており、通常nismoモデルに対して40万円高であることをこの時に初めて知る。
2022年モデルのGT-R nismo Special Editionの価格情報を伴った正式発表はそこから約3カ月後の8月5日となるので、販売店の方には随分前に通達されていたわけだ。
筆者は、頭金を入れて、残額はローンとすることは明白だったので、若干気持ちが大きくなり「40万円の価格差と言うことであれば……」と、このタイミングでSpecial Edition購入の仮契約を行った。
この仮契約に際しては、前出のオーナーズクラブのコミュニティー情報によれば、前金の振り込みをお願いされた方々もおられたようだが、筆者は後の8月に行うことになる本契約の時まで入金をお願いされてはいない。この辺りの判断は店舗によって違ったようである。
後の9月に発表になるGT-R T-SPECについては、販売台数が100台となるのだが、GT-R Special Editionについては、5月の時点では台数制限は設けられてはいなかった。しかし、購入希望者多数の場合は、仮契約を行った先着順になる可能性が高いことを告げられたため、5月15日の朝一で日産本社側にオーダーFAXを入れてもらった。
日産関係者および別の情報筋の話によれば、5月15日にオーダーを入れた人で買えなかった人はいないようだが、期日こそ筆者は把握していないが、あるタイミングでオーダーが締め切られたようである。
一部のディーラーでは「購入希望者多数の場合は抽選もあり得る」という説明があったらしく、商談を進めていた人はなる早でオーダーを入れることを勧められたそうである。しかし、GT-R nismo Special Editionの購入に関して実際に抽選が行われたという話を筆者は聞いたことがない。オーダーが生産枠いっぱいに達したところで、オーダー受け付けを終了した……というのが実際のところだと思われる。
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