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徒歩の移動時間を調べるなら、GoogleマップよりもAppleの「マップ」を使うべし?明日から使えるITトリビア(2/2 ページ)

» 2022年01月28日 13時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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Appleマップだとユーザーは余裕を持って到着できる?

 と、ここまでの話を調べているうちに、興味深いうわさを耳にした。iPhoneにプリインストールされているAppleの「マップ」は、徒歩での基準速度がややゆっくりめに設定されており、Googleマップよりも余裕を持った所要時間が提示されるというものだ。

 試しに都内で「距離4.7km」のルートの移動予測時間をAppleマップで調べたところ、「1時間6分」と表示された。Googleマップでは「1時間」なので、プラス6分、余分に見積もられたことになる。

 1箇所だけではたまたまという可能性もあるので、さらに2箇所「ほぼ一本道で距離4.7km」「交差する線路などの影響を極力受けない」「Googleマップで所要時間1時間と表示される」という条件にあてはまるルートを探し、Appleのマップで検索したところ、それぞれ「1時間7分」「1時間9分」と表示された。多少前後するものの、どちらもプラス数分程度、余裕を持って見積もられている。

左がGoogleマップ、右がAppleのマップ(以下同じ)。Googleマップでは「1時間」だがAppleのマップでは「1時間6分」となる
京都市内。Googleマップでは「1時間」だがAppleのマップでは「1時間7分」となる
札幌市内。Googleマップでは「1時間」だがAppleのマップでは「1時間9分」となる

 これまで長年Googleマップを使ってきた筆者の感覚からして、Googleマップでの徒歩での移動予測時間には、プラス1割程度余裕を見ておけばおおむね実際の到着時間と一致するので、1時間あたり数分が余分にかかるAppleマップの所要時間の予想は、これに非常に近い。ちなみに時速に換算するとおおむね「4.0〜4.3km」ということになる。

 海外ではこれについてさらに詳しく調べた人のレポートが2018年に出ており、Appleのマップを使った時に算出される予想所要時間は、Googleマップよりも8%長い傾向があるのだとか。報告者は「Appleはユーザーが余裕を持って到着できるよう予測時間を長めに設定することで、優れたエクスペリエンスを実現しているのではないか」と考察しており、事実ならば興味深い話だ。

個人向けナビアプリの利用や、Googleマップの所要時間×1.1も有効か

 以上をまとめると、目的地までの徒歩での移動時間を調べたい場合は、GoogleマップではなくAppleのマップ(または前述のような個人向けのナビアプリ)を使ったほうが、実情に近い値が出ることになる。

 どうしてもGoogleマップを使うならば、算出された所要時間を1.1倍すれば、かなり実際の値に近づくだろう。ぴったりではないかもしれないが、少なくとも大遅刻をやらかしてSNSで悪態をつく機会は減るはずだ。

 今回はあくまで徒歩のケースだけを調べたもので、なおかつデータの数も乏しいが(例えば平常時のユーザーの歩行速度をこれら予測にフィードバックさせている可能性などはありそうだが、今回は調べ切れていない)、何らかの新しい情報が入手できれば、また別の機会にお届けしたい。

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