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買い物DXが起こる? 体験して分かった地方の電子ペイメント事情小寺信良のIT大作戦(4/7 ページ)

» 2022年01月31日 07時28分 公開
[小寺信良ITmedia]

カゴで重量を計測なし

 同じものを複数買う場合は、数量をプルダウンメニューから変更する。同じものを大量に買う場合、例えばビールをバラで4本買うといった場合は、簡単で利用するメリットが大きい。これがセルフレジなら、いちいち全部スキャンしてカゴに移す必要がある。カゴ側が秤になっていて、重量をカウントしているからだ。

 バーコードのない商品、野菜などは品目を探して個数を入力。このあたりはセルフレジと同じである。購入をやめる場合は、×印を押してスキャンした商品を削除すれば良い。

photo バーコードのない商品は自分で種類と個数を指定する

 実際利用してみると、買い物中の合計金額が表示されるので、家計の把握には便利である。例えば3日分の食材にしては高すぎとか、今日の支払いは5000円ぐらいで収めたいといった調整ができる。レジに通すまでいくらになるかわからない買い物方法が、急に古臭いものに感じられる。

 買うものがリスト化されるので、買い忘れ防止になるという意見もあるようだが、個人的にはそのメリットはあまり感じられなかった。事前に買い物リストを作っておき、それと連動できるといった機能があれば効果的だとは思うが、それがなければ所詮現場で思いつくかどうかの問題なので、結局忘れることには変わりがないように思う。

 また、買い物かごに入れるたびにいちいち商品をスキャンするのは、面倒といえば面倒である。アプリはずっとスキャンモードになっているわけではなく、1度スキャンするとリスト画面に戻ってしまうので、毎回「スキャン」ボタンを押してカメラを起動しなければならない。

 買おうと思ってカゴに入れたが、あとでもっと安いものを見つけて交換するということはよくある話だ。この場合、安い方をスキャンしたら、戻した商品はリストから削除しなければならない。カゴから出せば勝手に削除されるわけではないので、これを忘れると買ってもいない商品分のお金を払うことになりかねない。

 1人で買い物している場合には、そうした行為の対応もしやすいが、家族で買い物に来て、みんなが思い思いにカゴに放り込んだり出したりしてしまうと、だんだん収集がつかなくなる。家族内でカゴを見張ってスキャンする係が必要だ。

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