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エンガジェット、TechCrunch日本版の終了を惜しむ 海外メディアの運営って結構大変という話ヤマーとマツの、ねえこれ知ってる?(2/5 ページ)

» 2022年02月16日 17時00分 公開

ITmediaの前身は「ZDNet Japan」だった

ヤマー 実は私、古巣が「CNET Japan」なんですが、本家CNETも2020年にバイアコムCBSが売却しまして。ファンドではないんですが、今レッドベンチャーズというIT企業の傘下なんです。

マツ いやー、うちはCNETが買収したおかげで大波乱になった経験があるので感慨深いですね。

ヤマー あ、そうですよね。CNETには姉妹媒体でZDNetもありますけど、これってもともとソフトバンク系でしたよね。ITmediaの前身と聞いたことが。

マツ ZDNet Japanってもともとソフトバンクがやってたんです。ソフトバンクがZiff-Davisの出版部門を買収してZDNet Japanを運営してたんですが、それを売却し、米CNETのものになってしまった。その後、独自媒体として立ち上げ直したのがITmedia。

ITmediaの前身「ZDNet Japan」(Internet Archiveからキャプチャ)

 ZDはZiff-Davisというメディア企業の略称。Ziff-Davisとソフトバンクは、PC Magazine、日本ではパソコンマガジンという月刊誌の頃から提携してました。そして、僕がソフトバンク(当時は日本ソフトバンク)の出版事業部で最初に配属されたのも、そのパソコンマガジンで、1989年。

ヤマー なるほど。ZDNetはその後CNETの媒体として運営されたわけですね。当時CNET JapanはCNETの日本法人シーネットネットワークスジャパンが運営してましたけど、ZDNet Japanもそこに移ったと。

 マツさんが所属してたパソコンマガジンも米Ziff-Davisからライセンスを受けて出版されていたんですね。

マツ Ziff-Davis系列のコンピュータ雑誌はいくつもあって、そのうちの1つだったんですよ。その後で、PC WEEKという、サブスクリプションベースの企業向けIT週刊誌を創刊して、僕はその立ち上げメンバーでした。

 1993年に創刊したMacUserもZiff-Davisの出版物で、提携していたMacWEEKも同じく。これらは全て米国メディアとの提携雑誌だったのです。長い話になりますけどw

ヤマー Macの媒体もZiff-Davis内で複数あったんですか。

マツ はい。週刊誌と月刊誌で。MacWEEKはネット上での情報発信もし始めたので、それがのちのZDNetの主要ソースになりました。PC WEEKも同じく。

ヤマー MacWEEKとPC WEEKを合体させてWeb版にしたのがZDNetだったと。

マツ その過程で、MacUserはMacworldという競合雑誌に買収され、あえなく休刊に。

ヤマー あれ、そういえばマツさんって、MacUser日本版の編集長をされてましたよね。

「MacUser日本版」

マツ はい。MacUserの休刊に伴って、ソフトバンク側でMacintosh WIRE(MacWIRE)という独自の有料メルマガを立ち上げました。

 その後、ソフトバンクの出版部門からネットメディアを作ろうということで、ZDNetの看板を使って立ち上がりました。Macintosh WIREはこのZDNet Japanに吸収されることに。

ヤマー あ、なるほど。MacUser日本版は本国版が競合に吸収されて休刊。メールマガジンのMacintosh WIREは日本独自の媒体だったんですね。そしてZDNet Japanに吸収されると。

マツ その頃のインタビュー記事がInternet Archiveにあるので、興味ある方は読んでいただければ多少面白いかと。

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