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エンガジェット、TechCrunch日本版の終了を惜しむ 海外メディアの運営って結構大変という話ヤマーとマツの、ねえこれ知ってる?(3/5 ページ)

» 2022年02月16日 17時00分 公開

海外媒体の日本版を運営する大変さ

ヤマー しかし、今のZDNetって企業IT中心ですよね。当時の流れからするとコンシューマーよりの媒体だったと思うんですが。

マツ はい。先程の通り本国のZDNetがCNET Networksに買収されてしまって、ZDNetの記事も翻訳できなくなり、どうしよう、代わりの記事ソースを探すか、ということになったのを記憶してます。

ヤマー あー、そういうことなんですか。おそらく買収後に方針転換があったんでしょうね。

マツ というわけで、僕自身、これまで2度、米国メディア買収によって休刊したり、会社名が変わったりしている。

ヤマー 本国からライセンスを受ける媒体の宿命みたいなところがありますよね……。

マツ 海外メディアが母体の場合、これはあるあるなんですよ。仕方ない。

ヤマー 本家が日本支社を運営する場合と、日本企業がライセンスを受けて作る場合がありますね。他媒体で言えば、エンガジェット日本版やTechCrunch Japanは前者、ギズモード・ジャパンなどは後者になります。

マツ 海外メディアの完全子会社でない場合にはライセンス料も大きな負担ですし、翻訳料金もかさみますし。

ヤマー 海外媒体の日本版をやってたマツさんにしか聞けない話ですけど、やっぱライセンス料、翻訳料って重みになりますか……。

マツ とても重いです。それだけの価値を生み出せるところはいいですけどね。

 翻訳を日本化するために過剰なローカライズをしちゃうところもありますし。

ヤマー 過剰なローカライズw

マツ 僕はそうした翻訳を自分でやってもいたので、そういうのはちょっといやーんな感じでしたw

ヤマー 今のCNET Japan/ZDNet Japanの場合だと、CNET Networksが日本から撤退となったとき、朝日新聞が事業継承したんですよね。2009年の話ですが。おかげで今も媒体として運営が続いています。

マツ ああ、そこも綱渡りでしたね。

ヤマー その頃の動きはよくは知らないんですけどね……。私入社していませんでしたし。

マツ Engadget、TechCrunch以降もさまざまな海外メディアが日本に進出してきました。Huffington Post(現HuffPost)とか、最近ではBusiness Insiderとか。

ヤマー ハフポは日本上陸時、朝日新聞と本家の合弁、BuzzFeedはヤフーと本家の合弁でスタートしましたね。一方で、Business Insiderはギズモード・ジャパンを手掛けるメディアジーンが日本版を運営してますね。

 BuzzFeedはその後、当時Verizon Media傘下にあったHuffPostを買収して、日本版もザ・ハフィントン・ポスト・ジャパンとBuzzFeed Japanが合併。「ハフポスト日本版」は、新生BuzzFeed Japanが保有するブランドの1つとして運営されているようです。

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