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50年ぶりの「OM-1」は王道進化を遂げたOM-Dだった荻窪圭のデジカメレビュープラス(2/4 ページ)

» 2022年02月17日 19時44分 公開
[荻窪圭ITmedia]

1)イメージセンサーが完全に新しくなった

 何より大事なのはこれ。イメージセンサーがフルリニューアルした。画素数こそ増えてないが(2037万画素)、シリーズ初の「裏面照射積層型センサー」になったのである。

製品発表会資料より。センサーが積層型になった

 積層型センサーはもはや珍しくないが、マイクロフォーサーズでは(たぶん)初の採用だ。この型の特徴は、画素サイズをギリギリまで大きくできることと信号の読み出し速度を速くできること。

 前者は画質に効いてくる。従来のE-M1シリーズは高感度時の画質がデジタル一眼としてはいまひとつだったが、実用ISO感度がISO6400からISO25600まで上がり、さらにダイナミックレンジも1段分広くなったのだ。この辺はレビューで実際に撮ってみる予定だが、画素数を増やす方向ではなく、高感度時の画質やダイナミックレンジを優先したのはよい選択だ。

 一方の信号の読み出し速度は電子シャッター撮影時にすごく効いてくる。高速に動く被写体を撮ったときの歪みがぐっと小さくなるのだ。

 製品レビュー時にちゃんとチェックしたい。

製品発表会より。1画素を4分割して使えるクアッドピクセルに

 もう1つ、新しく「クアッドピクセル構造」になった。デュアルピクセルのクアッド版のようなもので、これにより縦横両方向で位相差情報を取得。1053点でカバー率100%のAFを達成。

 要するにAF性能が上がったのだ。

2)AI被写体認識AFが搭載された

 2番目には被写体認識AFを挙げたい。

 フラッグシップ機のE-M1 Xで鉄道や飛行機、鳥などの被写体に認識AFを搭載したが、その後に出たE-M1 Mark IIIでは画像処理エンジン性能の関係で人物以外の検出には非対応だったのだ。

 でも今回は新しく開発した「TruePic X」を搭載。はじめからニューラルネットワーク回路を搭載したことで、E-M1 Xを超えた被写体認識AFを実現したのだ。

製品発表会より。画像処理エンジンを一新。ニューラルネットワーク回路を搭載したり画像処理アルゴリズムを新しくしたりしたのだ

 しかも今回やっと認識対象に「動物(犬・猫)」が追加された。

被写体検出の画面。フォーミュラカー、飛行機、列車、鳥、そして動物から選べる

 バリエーション豊富な被写体認識AF自体はハイエンド機では当たり前な機能になってきているわけで、やっと追いついてくれたのか、あるいは凌駕してきたのか。すごく気になるので要チェックである。

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