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“ファミマで不要スマホ回収”終了 問い合わせ多数で店舗に支障 再チャレンジも検討

» 2022年02月21日 17時15分 公開
[山川晶之ITmedia]

 伊藤忠商事は2月17日、2月1日に開始した携帯端末をファミリーマートで回収する実証実験について正式に終了すると発表した。この実験で、想定以上の端末が持ち込まれており、同社は12日に回収受け付けの一時停止を発表していた。

9日に配信されたプレスリリース。17日に終了のお知らせが追記されている

 実証実験は、家庭で使用されていないスマートフォンなどの携帯電話(同社ではトレジャー端末と定義)を回収し、リユース、リサイクルに回すというもの。伊藤忠グループで中古携帯のオンライン流通を手掛けるBelongが保有するセンターで、データ消去と検品を行い、伊藤忠のネットワークを使って海外での販売も視野に入れていた。

 携帯電話1台ごとに1000円相当のクーポンを配布。25店舗で3月31日まで実施する予定だったが、実施店舗に問い合わせが相次ぎ、オペレーションに支障をきたしたことから中止となった。持ち込まれた端末の数は「数万台に及んだ」とのことだが、同社によると、終了決定は持ち込まれた端末の数よりも、店舗オペレーションへの影響が主な要因という。

 国内の不要端末の数は、データ移行の手間や、個人情報流出の懸念などから年々増加し、2021年時点で2.7億台、約3兆円の価値があると言われている。伊藤忠は、今後も回収事業の提供を検討しており、今回の実証実験で、どういった端末が集まったのかなどを検証。仕組みの再構築も含めて、再チャレンジを狙うようだ。

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