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ロシア「協力関係を断ち切ったら誰がISSを制御するのか」 マスク氏「SpaceX」

» 2022年02月27日 14時29分 公開
[ITmedia]

 ロシアのウクライナ侵攻により、航空宇宙産業にも緊張がもたらされている。米国がロシアに対する経済制裁を決定したことに対し、ロシアの国営宇宙機関「ロスコスモス」のドミトリー・ロゴジン総裁は、国際宇宙ステーション(ISS)の制御をロシアが担っている旨をTwitterに投稿した。そんな中、イーロン・マスク氏がこれに反応した。

 ロゴジン総裁は「アルツハイマー病の制裁」と題して一連の主張を投稿。ロシアの宇宙産業に制裁が及べば、ロシア製の宇宙用電子機器に他国がアクセスできなくなること、ロシアの宇宙船を他国が使えなくなること、ISSでの協力関係が壊れること──の3点を指摘した。

 中でも、ISSでの協力関係については「ステーションの軌道修正やスペースデブリの回避はロシアのエンジンが担っている。協力関係を断った場合、制御不能になって米国やヨーロッパに墜落するISSを誰が救うのか?」と投稿。

 この投稿に、米SpaceXのイーロン・マスクCEOは「SpaceX」と書かれた画像のみのリプライを26日に投稿した。他のTwitterユーザーによる「誰が救うのか、に対するイーロンの答えは『SpaceX』ということだろう」というツイートに対してマスク氏は「Yes」と返答している。

 ISSの制御について、宇宙関連のニュースサイト米NASASpaceFlight.comの編集者がロシアのエンジンを使わない場合の想定をスレッドで投稿。SpaceXのドラゴン宇宙船をドッキングさせれば再ブーストや姿勢制御が可能だとする主張に対しても、マスク氏は「良いスレッドだ」と反応した。

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 マスク氏は、ウクライナのミハイロ・フェドロフ副首相の要請に応じ、通信衛星群によるブロードバンドサービス「Starlink」をウクライナで稼働させたとしている。

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