寝袋1500円、1人用テント4900円(税込)──低価格を武器に人気のキャンプ用品に参入したワークマン。発売日には公式ショッピングサイトが一時つながりにくくなる人気ぶりだった。しかし「WEB限定」の商品は店頭にも並んでいた。
2月22日の発売日、気合いを入れて公式オンラインストアを開いたものの、案の定つながらなかった。時間をおいてアクセスすると、お目当ての商品はもう売り切れていた。
ここまでなら人気商品の発売日にありがちなことで終わったのだが、今回は違った。シュラフ(寝袋)を購入できた知人が「近所の♯ワークマン女子で普通に売っていた」と言ったからだ。
SNSをチェックすると「〇〇店で買えた」という投稿が多く確認できた。一方でネットに張り付いていたために買いそびれた人、知っていたら店舗に行ったのに、という人も複数いた。
しかしワークマンの公式オンラインショップではキャンプ用品の多くに「WEB限定」と書いている。発売前に届いた会員向けメールマガジンにも「WEB限定商品につき、店頭でのお取り寄せできません」(原文ママ)とあったのに、どういうことか。
ワークマンによると、キャンプギア(キャンプ用品のこと)を店頭販売しているのは「♯ワークマン女子」「WORKMAN Plus」のうち全国23店舗。これら新業態の店はショッピングセンターなどに展開しているケースも多く、キャンプ用品を展示販売するスペース的な余裕があるという。
一方、全国に560店ある既存のワークマン店舗は作業着などの品数が多く、キャンプ用品までは手が回らない。このためキャンプ用品を店舗で注文すること(取り寄せ)はできない。
ただし利用者が公式オンラインショップで注文し、最寄りの既存店舗を指定して受け取れる商品もある。店舗側は発注の手間がなく、在庫を置く必要もない。フランチャイズ中心の既存店に負荷をかけないように配慮したシステムだ。
そしてこれが「WEB限定」の正体のようだ。オンラインストアのWEB限定商品の注意事項にこう書いてある。「※店頭での開封はご遠慮ください」。
ワークマンの担当者は、ネット販売のみと思って買いそびれた人達がいることは把握しておらず「申し訳ない」と話していた。キャンプ用品を一部店舗で販売することは1月中に発表していたという。
事情は理解できたし、既存店に対するワークマンの配慮には感銘も受けた。しかしオンラインショップの「WEB限定」表記は再考したほうがいい。一般消費者にとっては「店舗では扱わない商品」という意味になるから。
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