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デジカメのメモリカード今昔物語 スマートメディアからSD、xD、CFexpressまでヤマーとマツの、ねえこれ知ってる?(4/5 ページ)

» 2022年03月30日 08時00分 公開

今のSD陣営とCF陣営が結構カオス

ヤマー 今のメモリカードの話もしておこうかと思いまして。

マツ はい。最近また動きがあるんですか?

ヤマー SDが生き延びた理由っていろいろあると思うんですけど、例えば、mini SDやmicro SDの登場で、フィーチャーフォンやスマホなど、カメラ以外の需要にもうまくはまったとか。

 その他にも拡張性があると思うんですよね。SDは2GBまででしたが、32GBまで書き込めるSDHC、2TBまで拡張したSDXCが策定されてて、ちゃんと今の大容量ニーズに応えているんですよね。

マツ ああ、このSDの後ろにつくやつがよく分からないまま生きてきましたw 

 HCが「High Capacity」で、XCが「Extended Capacity」か。どっちが大容量かよく分からない。M1 ProとM1 Max、M1 Ultraみたいに。

ヤマー どれもファイルフォーマットの上限で規格が切り替わってますね。そして、128TBをサポートする「SDUC」が規格としてはすでに存在してますw

マツ さらに増えるの……しかもUはUltraなんだ。でも2TBも使わないだろう、とか言っててもいつかは使うようになるわけで。あと、転送スピード問題もありますよね。特にムービー記録だと。

ヤマー いやー、実はそこもちょっと複雑になってきてまして……。

マツ はいはい。

ヤマー SDの高速化って、10年に最大104MB/秒の「UHS-I」が登場して、11年には、端子を増やして最大312MB/秒に対応した「UHS-II」が出てます。ここら辺は結構一般的なんですが、それよりも速い規格として最大624MB/秒のUHS-IIIもあるんです。

マツ UHSは「Ultra High Speed」の略なんですよね。

ヤマー そうです。そして、さらに速いSDも規格化されてるんです。PCI Expressベースの「SD Express」っていうんですが、こっちは規格上で最大3940MB/秒までいけることになってます。SDの端子が3段にw

SDのバスインタフェース一覧

マツ うわー。気が遠くなりそうなバリエーション。

ヤマー メモリカードって統廃合が進んだあと、SD派閥とCF派閥に分かれてたんですが。

マツ CF派閥生き残っていた。でも、あのサイズじゃもう「コンパクト」じゃないから無理そう。

ヤマー でも、一眼レフでCFって結構長く使われてたんですよ。同世代のSDよりも転送速度が速かったんで、ハイエンド機に載ってました。

マツ 本体サイズが大きいから許されたし、大容量も可能だったと。

ヤマー まさしく。ただ、それでも限界があって、後継として2つの高速規格が生まれたんです。SATAベースの「CFast」と、PCI Expressベースの「XQD」。前者はCompactFlash Association(CFA)が、後者はソニーとニコン、SanDiskが立ち上げてます。

マツ また増えた!

ヤマー そういう感想になりますよねw 結局、ハイエンドのニッチな市場を奪い合うのは効率悪すぎるんで統一する流れになった結果、CFexpressが登場するんですが、CFAはXQDをベースに選んだんです。メモリカードの形状も一緒、バスもPCI Expressベースで一緒。プロトコルがXQD独自とNVMeで異なるので、完全な互換性はないんですけども。

マツ XQDってQuickDiskのことじゃないですか?

ヤマー 知らないメディア……。

マツ 安くて小型のフロッピーディスク規格ですw

ヤマー ……。CFの後継として、キヤノンはCFast、ニコンはXQDを選んだんですが、CFexpressがXQDベースになったおかげで、ニコンはZ 6/7やD850のXQDスロットをアップデートでCFexpress対応にできたんです。

 一方、キヤノンは「EOS-1D X Mark II」でCFastを採用したんですが、後継の「EOS-1D X Mark III」や「EOS R5」はCFexpressに切り替えてます。CFast、短命だったなぁ……。

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