「一番高いのはメモリですね」と森田さん。メモリ1枚が約5.5万円なので8枚で44万円。CPUは約37万円。グラフィックスカード(GPU)が約30万円。マザーボードが約14万円。電源が約6万円。CPUクーラーが約4万円。PCケースが約3万円。SSDが約2万円──と合計すると約140万円になることに。
もしCPUを64コアの3995WXに変えるならプラス35万円、RTX 3090をもう1基追加するならプラス30万円になるので、そこまで求めるなら200万円コースということになる。あるいは、4月に販売が始まった「GeForce RTX 3090 Ti」(実売約32万円)や、単品での発売日は未定ながらZen3世代「Ryzen Threadripper 5995WX」(64コア/128スレッド)を検討するならさらに価格は上がりそうだ。
いずれにしても超高価格な自作PCには変わりなく、いくら森田さんから薫陶を受けたとはいえ、記者がいきなり組み立てるにはハードルがいささか高い。「これ壊したらどうなります?」「お買い上げですね」「ですよね〜」
というわけで、最初の組み立てとセットアップは森田さんにお任せした。するりと組み立てていく森田さんに「組み立てって素手でいいんですか?」と記者が聞くと「素手の方がいいですよ。パーツがかちりとはまった触感が分かるし、手袋にCPUソケットのピンが引っ掛かって折れた日には目も当てられないので」という。記者は自宅にある静電気対策手袋に思いを馳せ、今度からは別の電子工作で使うことにしようと心の中で誓った。
こうして組み上がったのが、記事冒頭でもお見せした将棋AIマシンだ。あとは将棋ソフトをインストールして動作確認を取れれば、広瀬八段にお渡しできる状態になる。
「あ、運送会社の責任限度額を超えるので頑張ってなんとか運んでくださいね」(森田さん)
なんですと?
(続く)
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