VRアバターによるコミュニケーションは、ビデオチャットより“素の自分”をさらけ出す――こんな実験結果を、東京都市大学、TIS、岡山理科大学、工学院大学が発表した。
実験では、男女54ペア(108人)を対象に「(お互いの顔が見える)ビデオチャット」「本人と似ているVRアバター」「本人と似ていないVRアバター」の3種類を使って対話してもらった。
対話のトピックは、「記憶から消してしまいたい出来事」など個人的なものだ。
対話中に参加者がどの程度自己開示したかを、話した内容や声のトーンなどから評価したところ、最も自己開示したのは「本人と似ていないVRアバター」。次が「本人と似ているVRアバター」、ビデオチャットは最も開示が低かった。
一方が自己開示するともう一方も自己開示する「互恵性」も比較したところ、2種類のVRアバターで正の相関があったが、ビデオチャットでは相関は見られなかった。
これらの結果から、VRアバターは、カウンセリングやミーティング、マッチングなどに向いていると考えられる。
研究成果は、2月28日〜3月2日にオンラインで開催された情報処理学会「インタラクション2022」で発表し、論文賞候補に選ばれた。
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