新型コロナウイルス感染症にかかった。1週間で全快したものの、保健所からは3週間に渡って、コロナ関連のSMSが毎日スマホに届き続けた……。
最初に感染したのは保育園に通う長男だった。突然発熱し、医師による検査で陽性が判明すると程なく、保護者である筆者のスマートフォンに、SMSが3通届いた。
1つは「My HER-SYS(マイハーシス)」への入力を勧めるSMS。
My HER-SYSとは、厚生労働省が管轄する、コロナ感染者の把握・管理システム(健康観察ツール)だ。自宅療養中の患者が健康状態を報告すると、保健所に共有される仕組みだ。
「これがうわさのHER-SYS!」。届いたSMSを見てちょっと興奮した筆者は、サイトを訪問してウンザリした。ユーザー登録に「8桁以上」かつ「大文字・小文字・数字・記号のうち3種類以上」のパスワードが必要だったからだ。
セキュリティ上、複雑なパスワードが必要なのは分かる。ただ、熱に苦しむ息子を世話し、消毒や他の家族との隔離、食料の調達など、やらなくてはならないことが山ほどあるのに、ごく短期間使うだけのサービスのパスワードを考え、登録して管理までしなくてはならないなんて……。
……と思いつつも、なんとかパスワードを設定(筆者はパスワード管理ツールも利用しているが、モバイルで手入力する可能性があるパスワードは、入力が難しすぎないものを、自分で考えるようにしている)。氏名や生年月日、ID、体温など健康状態も入力した。
筆者がHER-SYSに入力したのは、これが最初で最後だった。
本来は、この後も毎日継続的に経過を報告し、体重や既往症などのプロフィールも入力すべきなのだが、長男は翌日に解熱し、そのまま元気になったため、入力する必要が感じられなくなった。その後も保健所から連絡が来ることもなく、入力の手間をかけるメリットが分からいまま、隔離期間が終わった。
結果論ではあるが、子供のコロナ感染でドタバタしている時に、わざわさ時間と労力を使ってHER-SYSに登録する必要はなかったのかもしれない、と思った。
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