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「1000台売る覚悟があればいける」──飛騨高山にオープンした自作キーボード専門店「白銀ラボ」インタビューハロー、自作キーボードワールド 第12回(3/4 ページ)

» 2022年04月30日 14時00分 公開
[ぺかそITmedia]

 20万、30万円する椅子ってやっぱり一度座ってみないと買いたくないじゃないですか。

 なので実際に座りに来て、そして気に入ったら買っていく、みたいな流れがあります。キーボードもちょっと近いのかなと。自作キーボードはやはり2万、3万円するので店舗に来られて実際に触ってもらって買って帰る。そのために高山に旅行に来るということも無いことはないんじゃないかと。

白銀ラボのある通り

── インタビュー前は今お住まいだからかと考えていたのですが、聞いてみるとキーボードを家具のお店のように実際に触って買える場という共通点を選んだというのはぴったりな感じがします。

ヨーキースさん 不思議なことに、東京にもある「CO-BA」というFabスペースが高山市にある(※インタビュー時点では営業していたが2月末に閉業済み)他、他にも3Dプリンタやレーザーカッターを使えるFabカフェなんかも飛騨市にあり、人口10万人ぐらいしかいないのにFab施設が2つもあったりして、面白いことをしたい人が多いのかもしれません。そういうところにキーボードのお店を開いても変じゃないかな、と思ったのもありますね。

── 自作キーボードのお店があってもスッと馴染めるような雰囲気が飛騨高山にあったと。

ヨーキースさん 組み立てるスペースが店内にあるので、Fabスペースとしてみると飛騨高山で3店舗目ですね。組み立てるスペースを店内に設けた理由は、過去に(通販で)購入してくださった方のサポートをした際に、自分自身が直接教えられないものかと感じていたからです。他には組み立てが心配な方には組み立てサービスを提供したいという考えもあります。当初そこまでお客さんが来ないだろうから、その間にスペースを使って組み立てようかなと。

白銀ラボ内にある組み立てスペース

ヨーキースさん Keyballに対する反応はTwitterでも見られますが、本音というかユーザーさんの率直な感想を聞きたいというのもありました。お店を開けばお客さんが来て話を聞けると思い、情報収集の意味としてもお店を開いた感じです。今どういうのが流行っているのか、どういうのを使っているのかとかお聞きして新商品のネタになればと。

── コロナ禍ならではという感じですね。生の感想を聞きたいというのは、2020年以降にキーボードのリアルイベントもなくなってしまった後だからこそ出てきた発想だと思います。

地元客の多さに驚き

── お店を開くのが初めてということでしたが実際にやってみてこれは大変だなと思ったこととかありますか?

ヨーキースさん 開店準備のための什器や決済方法をどうするかでドタバタしていました。意外だなと思ったのは、地元の高山の人が結構来られていることです。名古屋とか金沢とか中部圏からの人がほとんどで、地元の人はあまり来ないだろうなと思っていました。

観光客が多く訪れる古い町並み

ヨーキースさん そもそもキーボードにこだわるニッチな人が多くなさそうというものありますし、市内に大きい工場も無いのでエンジニアの方もそこまで多くないだろうと。でも新聞やタウン誌に出していたオープンの告知を見て来てくれて。オープンして最初に買ってくれた方も高山の人でした。飛騨高山でキーボードにこだわる人が他にもいたんだなと(笑)

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