しかし、Appleが1製品の終わりを告げるという珍しいプレスリリースのタイトルに「The music lives on」と記したように、音楽は生き続け、その遺伝子、進化の種はAppleの全製品に埋め込まれている。
AirPodsは、iPhone、iPad、Mac、HomePod、Apple WatchなどクラウドにあるApple Musicライブラリにアクセスできるし、AirPodsとローカルストレージに楽曲を保存できるApple Watchの組み合わせはiPod(と付属する白いEarBuds)を再発明したものと言っていいだろう。
いつの日か、AirPodsは単独でネットアクセス機能を持ち、それ自体が新世代のiPodとなるのだろう。スペースに余裕のあるAirPods Maxの後継はそういうものになるのかもしれない。
両方の手首に巻き付いたApple Watchの左右スピーカー、NeckPodのフロントとリアスピーカーが生み出す空間オーディオはいつ頃登場するだろうか。
たとえどんなデバイスが登場しても、それらが共通して持つのは、AppleがCasady & Greeneから買収したMP3プレイヤーアプリ「SoundJam MP」を作り直したiTunesをリリースしてから続く、プレイリスト機能なのだと思う。
これがある限り、そのデバイスはiPodの魂を宿していると考えてもいいのではないだろうか。再生するソースがローカルストレージであれ、クラウドであれ。
現在のApple Musicは、iPhone、iPad、Mac、HomePodと切り替えながら聴くことができるが、自分が場所を移動すると自然と再生装置が途切れず切り替わっていくような、よりアンビエントなリスニング体験があってもいいのではないか。
初代iPodが発売されてすぐに筆者が書いたレビュー記事を読み直して、この20年ちょっとを振り返りつつ、未来の音楽の在り方も考えてみたい。
※カレン・カーペンターが唄う、「愛にさよならを」を流しながら
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