こうしたアプリが乱立する背景には「メンタルヘルス関連のユーザー情報は売ればもうかる」という事情もあるようだ。Mozillaの調査について報じた米メディアのThe Vergeは「ユーザーがメンタルヘルスアプリに提供する情報は極めて価値が高い」と指摘する。
The Vergeによると、広告主は、心の健康ケアを必要とする人たちに照準を絞って関連商品や療法を売り込みたいと考える。心理状態を表すチャット記録などは、感情を分析してAI開発に利用する価値もある。メンタルヘルスに詳しい専門家である、米ベスイスラエル病院のジョン・トーラスさんは「この分野のデータは最も貴重で、最も収集しやすい」と話す。
ほとんどのユーザーは、プライバシーポリシーにほとんど目を通すことなく「同意」ボタンをクリックする。たとえ熟読の上で同意したとしても、アプリ側がポリシーを改訂したり、他社に買収されたりすることもある。そうなれば、自分の心の健康に関する情報が、思いもよらぬ使い方をされないとも限らない。「企業は将来的にそのデータを新しい方法で利用するチャンスが訪れれば、それを利用したいと考える」(The Verge)。
メンタルヘルスアプリは、悩みを抱えた若者や10代の未成年をターゲットにしているものも多い。Mozillaは「こうしたアプリに共有した情報は、流出したりハッキングされたり、その後何年もの間、パーソナライズされた広告や宣伝に利用される可能性がある」と指摘。子どものアプリ選びには保護者も気を配る必要があると呼び掛けている。
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