やはりストレートに、普段使いで限定公開するサークルを作るべきだろうか。だがそうした「特に仲のいい身内」への伝達であれば、わざわざ文字数制限があるTwitterを使うまでもない。少人数ならLINEがあるし、中規模ならオジサンはFacebook、30代以下はInstagramがある。そこまでTwitterに忠誠を誓う必要がなくなっている。
総務省が令和3年(2021年)8月に公開した「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によれば、SNSのメインユーザー層は10代〜20代が中心となっている。
SNSについても、LINEはいわゆる個人・少人数連絡用ツールとして盤石の地位を固める一方で、Twitterの利用者も伸びてはいるところだが、令和2年(2020年)でついにInstagramが肩を並べてきた。年代別に見ても、SNS主力層である10代〜20代ではすでにInstagramが追いついている。
SNSはすでに1つのサービスに依存するものではなく、複数のサービスを併用するものとなった。日本においてTwitterは、SNS御三家の1つとはいえるが、トップではなくナンバー3のポジションである。
だからこそテコ入れが必要なのだろうが、オープンがウリのTwitterの中にもう1つ塀を作ることにメリットがあるとするならば、それはオープン型SNSが破綻し始めたということであり、クローズド型への反転が始まったという解釈もできる。
LINEとInstagramにはないTwitterの強みとは何か。それは、拡散性の強さである。災害時の現場情報がいち早くTwitterに流れるというのは東日本大震災以降に産まれた日本独自の慣習であり、今や地震があれば皆NHKではなくTwitterを見る。これは他のSNSにはない強みではないだろうか。
一方で拡散性の強さ故に炎上しやすいし、デマの温床となりがちという側面がある。全世界の利用傾向からすれば日本は特殊なのだろうが、われわれが欲しいのは、拡散性の強さを残しつつ、デメリットを押さえる施策だ。
少なくとも日本においては、「サークル」はキラーコンテンツにはならないだろうと予測するのだが、さてどうなるだろうか。くれぐれも「ここに書けばバレない」という勘違いが広まることがないようにしたいものだ。
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