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香川県「ゲーム対策条例」の違憲裁判、8月末に判決へ

» 2022年05月17日 18時30分 公開
[谷井将人ITmedia]

 2020年に香川県で制定された「ネット・ゲーム依存症対策条例」を巡る違憲裁判の判決が、8月30日に言い渡される。香川県の高松地方裁判所は5月16日に全ての審理を終了した。

photo 高松地方裁判所

 裁判では、条例を巡る科学的な根拠の正当性や憲法上の解釈、について議論されたが、原告側の代理人が3月に辞任。4月25日には原告側が訴訟の取り下げを申請した。香川県側はこれに同意せず審理を継続。16日に結審となった。

 同条例は18歳未満の子どものネット・ゲーム依存症を防ぐため、県や保護者、通信事業者、ゲーム制作会社などの責務を明記したもの。「ゲームは平日1日60分まで」「午後10時以降はゲーム禁止」などの制限が記されておりネット上やゲーム業界などで物議を醸していた。

photo ネット・ゲーム依存症対策条例の第18条には家庭でのルール作りの基準を示している

 当時高校生だった香川県のわたるさんは、クラウドファンディングで集めた資金を基に、20年9月に「香川県の『ネット・ゲーム依存症対策条例』は違憲」として、県を相手取り高松地方裁判所へ提訴していた。

 代理人の辞任理由について、わたるさんは「守秘義務なので控えさせていただきます」としている。訴訟取り下げの理由については「新たに代理人になる予定の弁護士が(裁判を)最初から行いたい」と申し出たためとしている。

 訴訟取り下げを拒否した理由について香川県議会に問い合わせたところ「担当弁護士と協議の上で決めたことであり、詳細はお伝えできない」とのみ回答があった。

 今後の訴訟予定やクラウドファンディングの扱いなどは、わたるさんに問い合わせ中。新しい情報があればお伝えする。

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