この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「「VMwareの買収に向けて半導体メーカーのブロードコムが交渉中との報道」(2022年5月24日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
VMwareの買収に向けて、半導体メーカーの米Broadcomが米VMwareとの交渉に入ったとの報道が海外で相次いでいます。
Broadcomはサーバやストレージ、ネットワーク機器、スマートフォンなどさまざまな機器向けに、ネットワーク機能を実現するための半導体チップなどを提供する大手ベンダーとして知られていました。2016年にはファイバーチャネルスイッチベンダー大手の米Brocadeを買収し、半導体分野での拡大を加速します。
参考:半導体ベンダーのブロードコムがブロケードの買収を発表。ただし欲しいのはFC SAN事業だけ、イーサネット事業は買収後すぐに手放すと
17年には米Qualcommの買収を提案すると発表しましたが、この買収には失敗。
その後、拡大路線はソフトウェア分野へと移り、18年には米CA Technologies、19年には米Symantecのセキュリティ事業買収を発表しました。21年にはデータ分析ソフトウェア大手の米SAS Instituteの買収に乗り出したとの報道もありましたが、買収には至りませんでした。
参考:ブロードコムによるシマンテック買収交渉が進んでいるとの報道
ここ数年の動向からもBroadcomがソフトウェア分野への拡大に積極的であり、大手ソフトウェア企業に対する買収意欲も高いことは明らかです。今回報道されたVMwareに対する買収交渉も信憑性は高いと見られます。
一方のVMwareは、約1年前の2021年4月に米Dell Technoligies傘下からスピンアウトし、現在は独立した企業となっています。
ただしVMwareをBroadcomが買収し傘下に入るとしても、BroadcomのチップやCA Technologies、Symantecなどとのシナジーによる大きなメリットがあるとは考えにくいところです。そのため、Broadcomによる買収交渉は容易ではないのではないでしょうか。
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