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APS-Cサイズの「EOS R」が誕生した荻窪圭のデジカメレビュープラス(2/3 ページ)

» 2022年05月25日 12時30分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 逆に注目すべき大きな共通点が2つある。

 1つはAF。EOS R5/R6で急激に進化し、R3で熟成された賢くて速い被写体認識AFがR7にもR10にも搭載されているのだ。人物に加えて動物(犬や猫や鳥)や乗り物も自動検出してくれる。エントリーモデルにもこのAFが搭載されたのはすばらしい。

 また、超高速連写も対応。メカシャッター時は秒15コマ、電子シャッター時は秒30コマ(R7)か秒23コマ(R10)。R10の方がちょっと遅いが、それでも十二分すぎる連写性能だ。

 ボディ内手ブレ補正の有無という大きな違いはあるけど、高感度性能、AF性能、連写性能などは同じで、R10でも十分に高性能ミラーレス一眼なのである。

 操作感も両者とも変わらないのだが、R7は1つ新しい操作系を入れてきた。これは実に良いアイデアだと思う。

EOS R10(左)とEOS R7(右)の操作系。背面ダイヤル以外は非常に似ている

 AF枠を動かすスティックの周りにダイヤルを付けたのである。

 今までのカメラではなかった趣向だ。従来のEOSは背面のダイヤルを回すのにちょいと親指をくにっと曲げる必要があったけど、それがなく親指の位置をそのままに基本操作ができるのである。

 ちょっと使って見たけど、すごく快適。

 このアイデアは将来のEOS Rでも採用される気がする。

EOS R7の背面。ファインダーの右にある大きなダイヤルが特徴だ
EOS R7のマルチコントローラーと同軸になったサブ電子ダイヤル。親指を自然な位置においたまま複数の操作ができるのは快適

 さらに、EOS R7はボディ内手ブレ補正を生かした新機能を入れてきた。それは自動水平補正。

 カメラの傾きが微少であれば、それを補正するようにセンサーが少し回転して、自動的に水平を維持してくれるのである。

自動水平補正機構は風景や建物を撮るときに良さそうだ

 これは良さげだ。

EOS R7
EOS R10

 かくして、APS-Cサイズセンサーのハイエンド機EOS R7と、エントリー機EOS R10。どちらもコンパクトで扱いやすい優れたミラーレス一眼といえよう。画質や実際の使い勝手、新しい撮影機能などはいずれきっちりとレビューしてみたい。

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