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シェアサイクル「Charichari」(旧メルチャリ)が熊本進出 経済活性化に市が期待、利用環境には課題(1/3 ページ)

» 2022年05月27日 13時30分 公開
[島田純ITmedia]

 ベンチャー企業のneuet(ニュート)が運営するシェアサイクル「Charichari」が、市との実証実験事業として熊本市内で4月からサービスを始めている。福岡、名古屋、東京に続き4都市目でのサービス展開となる。

 Charichariは2019年に、neuetがメルカリから「メルチャリ」事業を承継。20年にCharichariへブランド変更した。

 シェアサイクルは、ラストワンマイルや、他の交通手段では移動が煩雑になる場合などに有効に使える場合が多い。熊本市は、シェアサイクル事業者と共同実験は初としており、シェアサイクル利用を通じた地域経済の活性化に期待を掛ける。

 しかし、同市初のシェアサイクル事業ともあり、利用環境を見てみると普及には課題もありそうだ。全国のシェアサイクルサービスを取材する筆者が現地の様子をお届けする。

neuetが熊本市で提供を始めたシェアサイクル「Charichari」

著者:島田純

携帯電話・スマートフォン関連を中心に取材。ネットワークに繋がるデバイスの他、最近はシェアサイクルやシェア交通サービスも追いかけて全国津々浦々。

公共交通手段との接続は○

 サービス開始時点のポート数は41カ所。市内中心部だけでなく、北は上熊本駅、東は藤崎宮前、南は熊本駅周辺にポートが設置されている。自転車台数は100台、さらに10台の電動アシストつき自転車が投入され、合計で110台となる。

熊本市内のChariChariサービスエリア

 他のシェアサイクルサービスと同様に、スマートフォンアプリから自転車をレンタル・返却するポートを探し、自転車のスマートロックに貼り付けされているQRコードを読み取ってロックを解除する方式だ。利用料金は他都市と同じく、ベーシックタイプが1分6円、電動アシストタイプが1分15円。支払いにはクレジットカードが必要。

 基本的にはポートで自転車を借り、ポートで返却するサービス。急な悪天候時や体調不良などのやむを得ない事情を除いては、いわゆる“乗り捨て”はできない。

 熊本市内のCharichariポートは、JR熊本駅(アミュプラザ熊本)や熊本桜町バスターミナル、藤崎宮前駅、上熊本駅などの駅・バスターミナルの他に、熊本市の支援を受けて、市役所や熊本城の駐車場にも設置されている。5月16日には一部のセブン-イレブンにも駐輪ポートを設置した。

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