駅やバスターミナルのポートは、改札や乗り場の至近にも設置されているため、鉄道・市電・バスとの連携を考えた利用設計がなされていると言っていいだろう。
ポートは市内の公園や民間の賃貸マンション、協力企業の敷地内にも設置されており、観光だけでなく市民の日常的な交通手段としても役立ちそうだ。
市内エリアはバスや市電などの公共交通も充実している。しかしこれらの公共交通では目的地に少し遠かったり、道路渋滞が激しい時間帯は通常よりも時間がかかったりする場合もあることから、シェアサイクルの恩恵は受けられそうに思える。
ただし、実際にCharichariで熊本市内を移動してみると、市内の交通環境は“自転車フレンドリー”とは現状言いがたい。例えば、車道に自転車専用通行帯や自転車道などが整備されている道路を見掛ける機会はほぼない。このためか、車道と歩道が分けられている道路であっても、大半の自転車が車道ではなく歩道を走行している。
自転車の歩道走行については、「自転車は原則として車道」のルールがあまり徹底されていない点や、車道に自転車が走りやすい通行帯やガイドなどが整備されていない点、車道通行によって自転車側のリスクが大きくなるなど、複数の課題がある。
熊本市内に限った問題ではないが、シェアサイクルの普及とともに自転車が走行しやすい道路空間が整備されれば、シェアサイクルを含めた自転車での移動がより便利になる。ルールと道路の両輪での環境整備に期待したい。
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