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セキュリティ・ホットトピックス

Officeに未修正のゼロデイ脆弱性 Microsoftは回避策を公開

» 2022年06月01日 08時52分 公開
[ITmedia]

 米Microsoftは5月30日(現地時間)、Windowsのゼロデイ・ゼロクリック脆弱性に関する共通脆弱性識別子「CVE-2022-30190」を発行した。本稿執筆現在まだ修正は公開されておらず、Microsoftは回避策を説明した。

 ms

 既に悪用された可能性があるとなっている。

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 この脆弱性は、Microsoft Support Diagnostic Tool(MSDT)のリモートコード実行に関するもので、セキュリティ研究グループShadow Chaser Groupのリーダーが4月に報告したもの。セキュリティ更新プログラムを受信しているすべてのWindowsに影響する。

 Word文書を開いたり、プレビューするだけでも、MSDTを介して悪意あるPower Shellコマンドが実行されてしまう。これにより、攻撃者は呼び出し元のアプリの権限で、任意のコードを実行する可能性がある。

 Microsoftが公開した対策は以下の通り。

  1. 管理者としてコマンドプロンプトを実行する
  2. レジストリキーをバックアップするために、コマンド「reg export HKEY_CLASSES_ROOT\ms-msdt filename」を実行する
  3. コマンド「reg delete HKEY_CLASSES_ROOT\ms-msdt /f」を実行する

 Microsoftがパッチを公開したら、「reg import filename」でバックアップからレジストリを復元する。

 また、「Microsoft Defender Antivirus」のバージョン1.367.719.0以降であれば、以下のシグネチャで悪用の可能性を検出される。

  • Trojan:Win32/Mesdetty.A
  • Trojan:Win32/Mesdetty.B
  • Behavior:Win32/MesdettyLaunch.A
  • Behavior:Win32/MesdettyLaunch.B
  • Behavior:Win32/MesdettyLaunch.C

 米BleepingComputerはWindowsエクスプローラのプレビューペインを無効にすることも推奨している

 Shadow Chaser Groupによると、この脆弱性は既に実際に悪用されているゼロデイとして4月12日にMicrosoftに報告されたが、Microsoftは4月21日、これをセキュリティ脆弱性とは見なしていないと通知した。その後、別の研究者が攻撃例を紹介したため、MicrosoftはCVEを発行した。

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