iPod touchの今後の入手が難しい以上、乗り換え先を探すことになる。ただ業務端末としてiPod touchの利用が進んだ理由の解説からも分かるように、ソフトウェアのサポート期間の長さや豊富なアクセサリ類の存在を考えると、やはり同じApple製品の選択が無難だと筆者は考える。
お勧めはiPhoneで、ある意味でiPod touchよりもユーザーが多いため、アクセサリの充実ぶりや安定入手、アプリケーション開発のハードルの低さで他の選択肢はないだろう。ただ、iPod touchは最安値の32GBモデルで199ドルがあるのに対し、iPhoneの製品ラインで一番安いiPhone SEの64GBモデルは429ドル(日本では5万7800円)と2倍以上の開きがある。
もちろん、Androidであればより安価な製品があるし、希望さえあればカスタマイズ対応も可能だ。だがサポート期間の長さやアクセサリの豊富さ、周辺ソリューションの多さを考えると、これまでiPod touchで満足してきたユーザーはiPhoneに移行するのがベターというのが筆者の意見だ。
iPhone移行となると製品単価が一気に跳ね上がることに不満を訴える声が少なくないが、システム開発と導入でのコスト負担が一番大きい部分は人件費であり、ハードウェアのコストが全体の費用にダイレクトに反映されるわけではない。見積もり上、何割かの予算増加は避けられないが、それでも専用ハードウェアやAndroid系の端末を導入するよりはトータルで安価になると考える。iPod touchでのアプリケーション資産も最低限の検証でそのまま引き継げるため、無駄がないというのも大きい。
iPod touchはWi-Fiで運用されていたため、LTEや5Gの通信機能が余分になってしまうが、これも将来的な投資の一部と考えておけばいいだろう。例えば決済機能を提供するハンディ端末の世界では、Ingenicoというメーカーのようにすべての機種でSIMカードを挿入して携帯通信が可能になっているケースもある。
実際、これまで業務端末にiPod touchを採用していた企業がiPhoneに乗り換える事例が増えている。
例えば先日筆者は米カリフォルニア州サンフランシスコ中心部にあるApple Union Squareを訪問したが、ここでのハンディ端末はすでにすべてiPhoneに切り替わっていた。
同様の事例はほかにも聞いており、業務システムの更新サイクルに合わせてハンディ端末もまた刷新が行われている。既存のiPod touch導入企業もまた、このタイミングでiPhoneを含めた次の乗り換え候補を早めに選定しておく必要がある。
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