もう1つ気になったのは、MacとiPadがさらに近づいてきたことだろうか。
「iPadOS 16」に「ステージマネージャ」が搭載され、アプリウインドウのリサイズや重ね合わせなどがサポートされていくのも、M1搭載iPadが「クリエイティブツール」としてアピールされていることと無縁ではない。
この辺の変化は急に出てきた話に思えるが、冷静に考えると確実に「順番通り」の機能追加であることもわかる。
2020年、Appleシリコン版macOSが登場したとき、「iPhoneやiPadのアプリがそのまま使える」こともメリットの1つだった。
この際、MacでiPad用アプリを快適に使うために、「アプリのウインドウサイズ変更やアプリ同士のオーバーラップ」を想定したAPIが整備されており、すでに「iPad用アプリをマルチウインドウで使う」ことができるアプリは開発されていたのである。
iPadOS 16でステージマネージャを使う場合にも、結局はその時に整備したAPIなどがそのまま使われている。だから「アプリを作り直さなくてもステージマネージャがフルに使える」アプリは、すでに結構な数あるのだ。
同様にマルチタスク性能向上として、フラッシュメモリーをメインメモリー代わりに使う、いわゆる「仮想メモリ」をiPadOSがサポートしたことも大きいはずだ。ゲームを含め、規模が大きく常に動き続けることを前提としたアプリを使いつつ、他のアプリも同時に使うには、仮想メモリの存在は欠かせない。さらに言えば、バックグラウンドダウンロードなどの機能も向上しているようである。
だから、「編集したビデオを書き出しつつ、別の映像を見て次の編集作業手順をチェック」といった使いかたをするには、iPadOS 16は待望のOSになりそうである。
ただ、これらの新要素は「M1」プロセッサーを使ったiPadだけに限られる。
今後、Aシリーズ搭載で「価格が安く入手しやすいiPad」と、Mシリーズ搭載で「高めのiPad」とでは、位置付けが変わってくる可能性も高い。
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