アップルの開発者会議「WWDC22」が開催中だ。WWDCとしては3年ぶりに「リアルでの開催」とオンライン開催をセットにしたイベントになったが、色々と示唆にも富んでいた。
基調講演と、その後に得られた情報を加味し、今回のアップルの発表を分析してみよう。
WWDCはあくまで開発者会議であって、新製品発表の場というわけではない。だが、アップルが何かの発表をするということになると、新製品に期待してしまうファン心理もわかる。
ただ、出るとすればそこには、場に合わせた何らかの意味がある。
今回、MacBook Airや13インチMacBook Proが出たのは、単に製品を刷新したかったからではなく、「M2」への移行とセットでアピールしたかったからだろう。順調に進むAppleシリコン移行を強調し、「移行初期」から「定着期」へのステップアップを示すものと言えそうだ。ハードウエアのデザインは明確に「14インチ MacBook Pro」を意識しており、同じデザインフィロソフィーでアップデートされたもの、と言っていいだろう。
ではM2はどんなプロセッサなのか?
基本的には、「マス向けMac用プロセッサの進化版」である。プロ向けである「M1 Pro」や「M1 Max」、「M1 Ultra」とはちょっと違う存在だ。M1からM2への移行では、半導体製造プロセス、高効率CPUコア、GPUコアのアップデートが総合的に機能したことにより、性能の向上が期待できる。
ただ一方で、M2がM1 ProやM1 Maxより速い、ということはないようで、方向性は異なる。外部ディスプレイの接続可能数もM1からM2で変化はしていない。搭載メモリーも24GBまでで、M1 Maxなどより少ない。
搭載メモリーの量は、メモリーチップの密度と規格、メモリーコントローラーチャンネル数で決まる。
M1とM2でメモリーコントトーラチャンネル数は変わっていないようだ。一方で、メモリーチップの密度と規格は進化し、LPPDR4からLPDDR5になって高速化し、密度も上がった。結果として16GBが32GBになるのではなく「24GB」になったようだ。
今後メモリーを増やす可能性もあるが、仮に「M2 Max」などがあるとすれば、メモリーコントローラチャンネル数が増えることになり、その分メモリー量も増えることになるだろう。
そうした部分を考えてもM2は「普及型・マス向けMac」を刷新するためのAppleシリコン、ということになる。
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