杏林大学医学部付属病院(東京都三鷹市)は6月30日、同院の医師が患者の個人情報入りUSBメモリを紛失したと発表した。紛失したUSBメモリはパスワードロックなどがされておらず、30日時点でUSBメモリは発見できていない。個人情報の漏えいなどの事実は確認していないとしている。
【訂正履歴:2022年7月1日午後2時40分 当初、記事タイトルを「院内持ち出し」としておりましたが、「院外持ち出し」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。】
紛失が発覚したのは6月19日。診療上のデータを院外に持ち出すのは禁止されていたが、データの判読に長時間を要することから、該当の医師は院外にUSBメモリを持ち出した。医師の帰宅後、患者27人の氏名やID番号、終夜睡眠ポリグラフ検査データ、睡眠時の状態を記録した動画が入ったUSBメモリを紛失していることに気付いたという。
同院は「この動画は赤外線を通して撮影しているため個人の特定は難しいと判断している」と説明。また、終夜睡眠ポリグラフ検査データを診るには、市販されていない医療検査用の専門ソフトが必要としている。該当する患者には個別に報告とおわびをし、文書で状況を説明したという。
同院は「関係する皆さまに深くおわび申し上げるとともに、今回の事案を真摯に受け止め再発防止を図る」と謝罪。再発防止策として、データの取り扱いに関するルールの院内での情報共有や点検、eラーニングなどを通じた院内教育を徹底するとしている。
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