米Googleは7月1日(現地時間)、健康トピックに関する人々のプライバシーの保護に関する公式ブログを公開した。直接触れてはいないが、米連邦最高裁が6月24日、妊娠中絶は女性の権利だとした1973年の「ロー対ウェイド」判決を覆す判断を示したことを受けたものだ。
この判断を受け、既に13の州で中絶が禁止になり、禁止する州はさらに増えるとみられている。
中絶が違法行為になれば、中絶を行った人は犯罪者になり、プラットフォームであるGoogleは、法執行機関からそうした人々に関する個人情報の提供要請を受けることになる。
Googleは、すでにあるデータポリシーなどによるユーザーデータ保護に加え、以下のデータ保護強化を行う。
「ロケーション履歴」は、Googleアカウントでログインしているスマートフォンの位置情報を記録し、Googleのサーバに送る機能。初期設定ではオフになっている。これをオンにしているユーザーが、カウンセリングセンター、家庭内暴力シェルター、中絶クリニック、不妊治療センター、依存症治療施設、減量クリニック、美容外科クリニックなど、(中絶に関連しないものも含む)「特に個人的なもの」については、Googleのシステムが識別し、訪問後すぐにロケーション履歴からエントリを削除する。この変更は、向こう数週間で有効になる。
Googleが提供する健康管理サービス「Google Fit」と「Fitbit」のアプリでは、個人データを削除するツールを提供している。月経周期を記録しているユーザーは、現在は月経ログを1度に1つずつしか削除できないが、これを1度に複数のログを削除できるようにアップデートする。
同社は2006年から公開している「透明性レポート」で、世界中の政府機関からのユーザー情報提供要請の数と、それに応じた数を報告している。公式ブログでは中絶についてのデータについて具体的に触れてはいないが、「われわれは、データに対する政府の不適切な要求からユーザーを保護することに引き続き取り組んでおり、過度に広範だったり、法的に好ましくない要求には引き続き反対していく」としている。
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