米Googleは7月14日(現地時間)、サポート対象外になったWindows PCやMacにインストールし、安全にネットに接続できるようにするOS「Chrome OS Flex」の安定版をリリースしたと発表した。2月のプレビュー版リリース以降、多数のPCで検証し、現在400以上の機種で動作確認されている。
インストールはUSBドライブから行うが、インストール前にUSBドライブから起動することで試すこともできる。
Googleは、2020年に買収した米NeverwareのChromiumベースのOS「CloudReady」を基にChrome OS Flexを構築した。
米Microsoftの現行OS「Windows 11」をインストールできる要件を満たさないPCが大量に発生したため、Chrome OS Flexはプレビュー段階から話題になっていた。
また、GoogleはこのOSの特徴の1つとしてセキュリティの強さを挙げる。「実行可能ファイルのブロックとテクノロジーのサンドボックス化により、ウイルス対策ソフトウェアが不要」になると説明。また、企業ユーザー向けには、デバイスが盗まれた場合でも、IT管理でデータの損失を防げると説明している。
企業での採用のユースケースとしてGoogleが紹介したノルウェーのホテルチェーンNordic Choice Hotelsは、12月にランサムウェア攻撃を受け、北欧全土にある約200のホテルの運営を停止してしまった。かねてChrome OSへの移行を検討していたので、200のホテルにある2000台のWindows PCを48時間以内にChrome OS Flexに変換し、約1週間で運営を再開したという。変換は、各ホテルの従業員が配布された1ページの手順書とChrome OS Flexの入ったUSBドライブだけで、管理者の助けを借りずに行えたとしている。
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