Googleのスマートフォン「Pixel」の名は、日本でも結構浸透してきたように思う。当初は機械学習による写真のきれいさをアピールしていたが、同社ならではのAI機能を次々と実装。Pixel 6シリーズからはAI処理を強化した独自チップ「Google Tensor」も搭載し、「AIでいろいろと便利に使えるスマホ」を押し出すようになってきた。
Google Tensorの登場により、PixelのAI機能は大幅に強化された。写真関連だけでも、画像処理速度やHDR、顔検出などの性能向上に加え、肌色を正確に表現する「リアルトーン」、手持ちで流し撮りを実現する「モーションモード」も実装。アプリ内の外国語をリアルタイム翻訳する「ライブ翻訳」、ボイスレコーダーの日本語書き起こしもその一つ。それぞれの機能は全てスマホ内で完結しており、Google TensorはAIをゴリゴリにエッジ処理するために作られたチップといえる。
このチップはこれまで「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」などのハイエンドスマホのみに搭載されていたが、より手頃にTensorパワーを体感できるスマホが登場した。それが7月21日から予約を開始した「Pixel 6a」だ。5万3900円とPixel 6より2万円以上安価でありながら、Google Tensorを搭載。サイズもコンパクトに仕上げられており、トータルバランスは高そうに見える。
上位機のエッセンスを小さく安く詰め込んだPixel 6aの実力やいかに。短い期間ではあるがPixel 6aの実機を触る機会を得たので、外観やカメラ性能を中心にファーストインプレッションをお届けする。
まず、Pixel 6aの外観だが、旧モデル(Pixel 5a (5G))と異なりほどよくコンパクトなボディをまとっている。大柄なPixel 6/6 Proと違い、6.1インチのOLEDパネルを搭載。横幅は71.8mm、縦は152.2mmに抑えられている。個人的“ベストハンディPixel”こと「Pixel 5」より一回り大きい程度である。
200gオーバーの6/6 Proと違い重さは178g。カメラの出っ張りも大幅に抑えられており、手にしっくりとなじむ。ズシッと重みを感じるPixel 6の後に持つと、やはりハンディなスマホは正義だなと思い知る。
ボディの材質は「高温で成形された3D複合素材カバーガラスとテキスチャ加工の合金製フレーム」。Pixel 6の背面「Gorilla Glass 6」と異なるが、サイドフレーム含め質感は良い。防塵防滴は上位2機種がIP68のところ6aはIP67に対応する。
Tensorプロセッサを搭載したおかげで、体感速度はサクサクだ。スマホ用SoCの中では最速の部類ではない(むしろミドルクラスとハイエンドクラスの中間)のだが、普段使いではパフォーマンスは十分。前モデルのPixel 5a (5G)に搭載されていた「Snapdragon 765G」と比べると、CPUは80%ほど、GPUは370%ほどパフォーマンスが向上しているという。バッテリー容量も4410mAhあり、短期間での使用ではあるがバッテリー持ちに不満を覚えることはなかった。
その他、細かいところとしてはFeliCa(おサイフケータイ対応)、セキュリティコプロセッサ「Titan M2」を搭載する他、Google純正スマホらしく、5年間の「Pixel アップデート」が保証されている。使い勝手とセキュリティ面も手堅い。
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