PixelのAシリーズと言えば、カメラ性能は通常モデルと同じまま、SoCやメモリのランクを下げて低価格化を図ったものが多かったが、6シリーズから方針転換しており、6aのSoCは上位機種と同じものを使用している。一方で変わったのはメインカメラだ(超広角カメラ/インカメラは6と同じ)。
それが1220万画素の広角カメラ。1/1.31インチの大型センサーを搭載するPixel 6/6 Proと異なり、1ピクセルあたりのピッチ幅は1.4μm(6/6 Proはピクセルビニング処理で1250万画素、2.4μm相当)とより小型のセンサーであることが分かる。スペックは、Pixel 3から5/5a (5G)まで歴代使われてきた広角カメラと一致しており、6aにも同じものが搭載されている可能性が高い。
スペックだけを見ると「なんだPixel 6よりも画質は劣るのか」と思われるかもしれないが、全くそんなことはない。ディティール、ホワイトバランス、HDR、夜景モード、超解像ズーム含め、写りはPixel 6と遜色ない。ポートレートモードも、ピント面とボケ面がきれいに分離されクオリティは高い。これはGoogle Tensorのパワーに加え、内蔵された独自のISPも寄与しているのだろう。ここでいくつかPixel 6とPixel 6aの作例を紹介したい。
小型センサーには大型センサーにないメリットがある。一般的にセンサーが大きいほど1ピクセルあたりの集光効率が上がり、高感度やダイナミックレンジに有利とされている。一方で、小さいほど最短撮影距離がより短くできるため、被写体に近づけるようになる。そしてレンズ設計にも余裕があるため、寄っても周辺が滲んだり流れたりしない。作例は間に合わなかったが、寿司とかをアップで撮るのにちょうど良い。
そもそも3の頃からPixelのカメラには画質に定評があった。Pixel 5a (5G)は、海外の著名YouTuberが行ったブラインドテストで、iPhone 13 Proや上位機種のPixel 6 Proに画質面で勝利している。個人的にも、歴代のPixelは色乗りといい、ポートレートモードの被写体のシャープさと生成されるボケ味といい、寄れる使い勝手の高さといい重宝していた。これは、古いセンサーをしゃぶりつくすGoogleの画像アルゴリズムが優秀であることの証でもある。
ただし、6と6aに全く差がないわけではない。センサーの素性が出てくるのが夜の動画撮影だ。複数枚の写真をもとに画像処理をかける夜景モードと違い、動画は最大毎秒60フレームで常時読み出す必要があるため、後処理ができず、センサーの高感度性能が直に響いてくる。夜の公園でテストしたところ、暗部のノイズや精細さは大型かつ新型センサーを搭載した6の方に軍配が上がった。
カメラ機能も一部だけだが制限されており、先述のモーションモードは6aには搭載されていない。Googleは以前、同機能はGoogle Tensorチップだから実現できた機能と説明していたが、実装されていないことから、後述のメモリ容量が影響しているのかもしれない。それ以外の「消しゴムマジック」や「リアルトーン」など、GoogleのAIを活用したカメラ機能は一通り利用できる。
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