クルマのワクワク感を考えるとき、筆者は、夜ドアを開けた際に足下を照らす、カーテシランプを思い浮かべます。最近は、単に明るく照らすだけでなく、メーカーのロゴを地面に投影するクルマも増えてきました。残念ながらModel 3には備わっていませんが、友人のクルマに装備されたこの機能を見たときは、かっこいいと思いました。
夜、帰宅して降車した際、足下にメーカーのロゴが投影されます。オーナーは、そのロゴを視野に入れつつ、ドアをロックして自宅に入りますが、その際、網膜に残ったロゴの残像が、ある種「余韻」のような役割を演出し、オーナーは満ち足りた気持ちでドライブの幕を引くことができます。クラシック音楽でいうと、第4楽章のエンディングにおける、最後の最後のオケヒットが生み出すホール残響の心地よさです。
単に足元を照らすのであれば、ロゴを投影する必要などありません。しかし、メーカーはコストをかけてこのようなギミックをクルマに装備しています。そこには、スペックには現れない良質なユーザー体験を演出し、ロゴの演出でそのクルマならではの価値をオーナーに提供しようというメーカーの想いを感じます。
カーテシランプはほんの一例ですが、各メーカーは、あらゆる手段でスペックでは語ることのできない、ワクワクするような価値を提供しています。
Model 3に話を戻しましょう。Teslaも独自の思想に基づいて、スペックには現れないさまざまな価値を提供しています。たとえば、出先で急速充電する場合も、スタイリッシュでかっこいいスーパーチャージャーのデザインが良質なユーザー体験をもたらしてくれます。筆者を初めとして多くのオーナーは、Teslaが提供するこのような価値に共感して、クルマに惚れ込んでいるのではないでしょうか。
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