無事にクリアできたので、次のレベルに進む。「The Artists」(作家)というテーマに従って、縦に「Van Gogh」(ヴァン・ゴッホ)、横に「Gauguin」(ゴーギャン)の作品を並べていく。絵画に詳しくない筆者でも、ゴッホの作風は知っている。ゴーギャンは、確かタヒチに縁のあった画家のはずだ。では、ゴッホとゴーギャンの交わる作品とは何だろう。
取りあえず分かる作品から埋めていき、最後に残った1つを交差したところに当てはめたら見事クリアできてしまった。このゴッホとゴーギャンの両方に関係した作品に描かれているのは、自画像でおなじみのゴッホに似ている。しかし絵のタッチはゴッホと違う。
そこで作品の詳細を確認したら答えはすぐ判明した。「ヒマワリ」の絵に取り組んでいるゴッホを、ゴーギャンが描いたようだ。通りでこの内容とタッチになるわけだ。
気になって百科事典で調べたところ、ゴーギャンが一時ゴッホと共同生活をしていたことや、ゴッホが自分の耳を切り落とした事件にゴーギャンの影響があったといわれているといったエピソードが出てきた。
さらにVisual Crosswordsの「Learn more」でアクセスできる「Google Arts & Culture」のページから、オランダにあるゴッホ美術館の展示コーナーに飛ぶことも可能だ。こんなに間近で見られるなら、アムステルダムへ行ってみたくなる。
せっかくなので「Fashion」(ファッション)テーマのクロスワードにもチャレンジしてみた。「Christian Dior」(クリスチャン・ディオール)と「Yves Saint Laurent」(イヴ・サンローラン)は聞いたことあったが、ファッション写真家の「David Bailey」(デイビッド・ベイリー)は初耳だ。
何度も失敗を繰り返してマスを全て埋められたので、気になっていた写真について確認してみた。左上にある写真のうつむいた男性は、ディオールの後継者であるサンローランで、ディオールの葬儀に参列した後の姿だという。何気ない写真だが背景を知ると急に深みが増す。ちなみに右上の写真は、ベイリーが撮影したサンローランのポートレートだ。
Visual Crosswordsは、さまざまなアートに親しんでもらおうとGoogle Arts & Culture Labなどが開発した。単に作品を紹介するだけでなく、関係なさそうな作品の結び付きをクイズ形式で紹介している。
一見関係なさそうなものの間にも、ゴッホとゴーギャンや、クリスチャン・ディオールとイヴ・サンローランなど、交わる部分があると学べた。世界各地の作品をWebブラウザ上で動かしながら触れ、関連情報なども表示できるのはテクノロジーを活用するメリットだ。
このコンテンツでは、Google Arts & Cultureのコレクション約100作品を取り入れている。覆面作家「Banksy」(バンクシー)が登場する「Street art」(ストリートアート)の他、「Picasso」(ピカソ)やオランダの「Rijksmuseum」(アムステルダム国立美術館)といったテーマも面白そうだ。飽きることなく、Googleが考えるアート鑑賞の姿を体験できるだろう。
そしてVisual Crosswordsには、Googleが提唱するUX(ユーザーエクスペリエンス)デザインの思想「Material Design」を反映している。Material Designは、ユーザーに取って使いやすいユーザーインタフェース(UI)の設計や、PCやスマートフォンといった端末の違いによるコンテンツ体験の差をなくすためのガイドラインだ。初見でもプレイしやすい背景には、こうしたデザイン面の影響もあるのかもしれない。
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