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飛行機で、仕事で、Nreal Airを使ってみた ゲーミングPC接続も実用域に(1/2 ページ)

» 2022年08月12日 07時27分 公開
[西田宗千佳ITmedia]

 今年春に購入した「Nreal Air」の話を何度か書いているが、久々に「本格活用編」を書いてみようと思う。

 というのは、6月以降の海外を含む出張で何度か使い、さらに、外出時にもちょっと工夫して使ってみたからだ。あくまで自分の中での実験ではあったのだが、なかなか面白い知見が得られた。今後のデバイスでどんな体験が得られるかの予測も含め、ちょっといろいろお伝えしてみたいと思う。Nreal Airがどうこうというより、「軽量なHMDが普及したら」という想像を膨らませるための実験、と考えていただきたい。

 なお、いくつかの写真は現地での撮り漏らしがあったため、後日仕事場で再現したものである点はご了承いただきたい。

この記事について

この記事は、毎週月曜日に配信されているメールマガジン『小寺・西田の「マンデーランチビュッフェ」』から、一部を転載したものです。今回の記事は2022年8月1日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額660円・税込)の申し込みはこちらから。さらにコンテンツを追加したnote版『小寺・西田のコラムビュッフェ』(月額980円・税込)もスタート。

飛行機の中で出張のお供に

 機器の性質をおさらいしておこう。

 Nreal Airは、サングラス型のシースルーディスプレイである。Androidスマホと組み合わせることでAR機器としても使えるのだが、そこはまだかなり発展途上である。現状は、「画質がかなり高いメガネ型ディスプレイ」としての価値がほとんど、といっていい。USB Type-Cを介してDisplayPort規格で接続するディスプレイになるので、対応機器であれば、スマートフォンでもiPadでもPC/Macでもつながる。

photo Nreal Air。もう何度も紹介したのでおなじみだろう

 その性質上、まず有用なのは「リラックスして使う映像表示デバイス」としての使い方だ。

 というわけで、飛行機での長時間移動中につかってみた。6月の米国出張時にはiPad Proに、7月の高松出張時にはGalaxy Z Fold 3とつないで使っている。

 どちらも利用方法はシンプルだ。

 USB Type-C端子にNreal Airをつなぎ、目的のアプリで映像を流すだけだ。その際、本来音はNreal Airからも出せるのだが、周囲に音漏れするのでBluetoothヘッドフォンを併用する。

 そうすると、機内では以下のような風体になる。今はマスク着用も必要だし、かなり怪しい感じになってしまうのだが、その点は致し方ない。

photo アメリカ出張時の写真。こんなふうにだいぶ怪しい風体にはなるが……

 使い勝手は「なかなか快適」のひとことだった。席にもたれかかり、自然な姿勢で座ると空中に映像が見える感じになるので、長時間見ていても疲れにくい。「Oculus Quest」などのVR用HMDを使えば同じことはできたのだが、画質と頭への負担の両方で、快適さがまったく異なる。代替する機器が出るまで、出張時のお供には最適だと感じた。映画もいいのだが、本を「下を向かずに読める」のもなかなかいい。自宅でも「寝転んで使う」ことはあったが、それと同様の快適さだ。席ではテーブルは出さず、手元に機器を置いて使う感じにするといい。

 Nreal Airは、メガネ部を覆う「シェード」をつけると完全に周囲が見えなくなり、真っ暗な空間で映像を見られる。そうすればちょっとしたパーソナル映画館。発色も、シェードを付けたほうが良くなる。

だが、結局途中からつけるのはやめた。特に海外移動の時はそうだった。なぜなら、飛行機内が暗くなるので、シェードをつけなくても良くなったからだ。シェードなしなら一応周囲も見えるし、その方が安全ではある。あまりお行儀はよくないが、つけて映画を見ながら食事だってできた。

photo アメリカ出張で映画を見た時のセット。iPad Proに映画やドラマを入れてから行くので、こんな使い方に
photo 国内出張の機内で使った時はこんなセット。Galaxy Z Fold3なのは「あえてiPad以外で使いたかった」から。実際にはディスプレイ輝度は最低まで下げて使う

 こうやって使うときには、iPadやスマホの方では、ディスプレイの輝度を最低まで下げるのがいい。本来の画面はNreal Airの方に出ているので、明るくしておく意味がない。電力消費を下げるにも効果的だ。画面を暗くしたiPadやスマホを手元にもってそちらの画面をタッチして操作するのだが、映像を見ているときはほぼ操作する必要はないし、本を読むときもスワイプする程度なので、画面が暗くても困りはしない。

 アメリカ出張時には片道で4時間ほど、高松出張時にはフライト中の1時間半の間使い続けたが、輝度を落としていたこともあり、バッテリーは十分に余裕があった。これなら実用性もまったく問題ない。

 将来的に、スマホなどのデバイスをつながず同じことができる「スタンドアロン製品」が出てきたり、ディスプレイ用のケーブルが不要となる「ワイヤレス対応製品」が出てくる可能性もあるだろう。

 ただ、バッテリーのことをあまり気にせずに使えたのは「ケーブルで本体とつないでいたから」でもあり、そのために、メガネ部にはバッテリーがなく、軽くなっているという事情もある。意外と「ケーブルでつなぐ」今の形態は、ちょうどいい現実解になっているという印象も受けた。

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