水力発電に大きく依存している中国の四川省人民政府が、猛暑と干ばつで深刻な電力不足に陥っていることから、電力供給の切迫を踏まえ、8月14日に緊急宣言を発したと聯合報などが伝えている。8月15日から20日まで、電力を使用するすべての産業に対して生産の完全停止を要求している。
四川省は中国最大の水力発電省であり、水力発電の能力は約1億4800万キロワット。白河潭、ルオキシドゥ、武東徳、向家巴、金平、二潭などの大規模な水力発電所が含まれており、中国全土の21.2%を占めるという。
同省の雨季は通常5月から6月に始まり、9月から10月まで続くが、22年は深刻な異常気象により、8月以降、四川水力発電所の水供給が50%も枯渇。水力発電所の電力供給能力が急激に低下しているようだ。
同省の洪水制御干ばつ救援本部は14日、主要河川の水量が今週も引き続き減少するとの報告書を発表しており、貯水池や水力発電所の貯水量が著しく不足する状況が続くと予想している。熱波が続けば、四川省から電力の一部を購入している浙江省や江蘇省にも電力不足が波及する恐れがある。
四川省はリチウムイオンバッテリーの生産が盛んな他、Apple製品の製造を受託しているFoxconnの工場もあり、一部のApple製品の生産に影響が出る可能性がある。ロイターによると、同省には中国ディスプレイ大手BOEの生産拠点もあり、電力の供給制限を受けて事業所の調整を行っているという。BOEは、少量ながらiPhone 13などへのパネル出荷実績があり、次期モデルにも供給する可能性があるとしている。
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