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「メディア芸術祭」が25年の歴史に幕 なぜ終了するのか文化庁に聞いた

» 2022年08月25日 15時00分 公開
[山川晶之ITmedia]

 文部科学省は8月24日、メディアアートなどの現代芸術の祭典「文化庁メディア芸術祭」について、2021年度に募集した第25回の作品の展示を9月に実施する一方で、2022年度の募集を行わないと発表した。文化庁に確認したところ、2023年度の募集は未定としているものの「今の形で(メディア芸術祭を)やることはおそらくない」と説明している。

第25回受賞作品展でメディア芸術祭は最後となる
公式サイトに掲載されたお知らせ

 終了する理由として同庁の担当者は「ちょうど25回、およそ四半世紀を迎えて、文化庁のなかで施策全体の基本計画などを検討しているタイミングであり、検証の在り方やメディア芸術のグローバル展開をどうするかなど、全体を見直している段階」と説明する。その一環で、メディア芸術祭のクローズを決めたようだ。

 一部では「役割を終えた」とする報道もあったが「メディア芸術全体の振興をしっかりやっていきたいことに変わりはない」「メディア芸術の振興は、メディア芸術祭だけでなく、人材育成や海外発信などいろいろな形でやっている。全体をもう少し見直して、そこで得られた成果を別のところで活用することを考えている」と担当者は話す。

 Twitterでは今回の件について、アート関係者やクリエイターの他、メディアアートのファンなどからも終了を悲しむ声が数多く投稿されているが、こうした声に対し担当者は「長く続いているので、当然そういう声はあると思う」「今後どういうことをやるかは関係者などから話を聞きつつ進めたい」と述べており、クリエイターからもヒアリングしつつ、メディア芸術の振興の在り方を探っていくという。

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