Arcadeは、縦1列に積み上げられた単語を崩していくゲームだ。単語の山の中に、1つだけ色の異なる単語(ここでは「ターゲット単語」と呼ぶ)があるので、それと関連する単語を入力する。
入力した単語をAIが解析してターゲット単語との関連性を算出し、そのスコアに合わせて単語の山の順番が入れ替わる。そして特定の枠内(山の下から4単語分など)に入った単語のうち、ターゲット単語より上にある単語が消えるシステムだ。
順番が変わる際、関連性が高いほどターゲット単語が山の下になる。つまりターゲット単語を低い位置へ移動できるほど、言い換えればターゲット単語と関連性の高い単語を入力できるほど、一度に多くの単語を消せる仕組みだ。逆にいえば、ターゲット言語が枠内に入らないと、いつまでも山を低くできない。山の高さが天井に達すると、ゲームオーバーになる。
何回か連続で消せると入力欄の上にあるメーターがたまっていき、ボーナスとして山が全て消える。山の高さが一気に低くなるため、これは大きい。
Arcadeの難しいところは、Blocksと違ってゆっくり考えていると山がどんどん高くなることだ。さらに、ゲームが進むほど単語の落ちてくる間隔が短くなり、山が高くなりやすい。しかも、ターゲット単語が複数になったり、ボーナス獲得に必要な消去回数が増えたりして、難易度が上がる。その分ゲーム性は高く、プレイしがいがある。
Semantrisは、機械学習アルゴリズムが自然言語をどのように処理するかを示す目的で、Googleが開発した。ここで使われている技術と同じものが、Googleのさまざまなサービスで活用されているそうだ。
BlocksとArcadeは同じAIを使っていて、Googleの機械学習ツールキット「TensorFlow」で構築したものだ。インターネットでやりとりされた膨大な英文から単語やフレーズ、文章の関係を学習させて、ある単語や文章に続く確率の高い単語などを予測できるAIモデルにした。
これを利用することで、Semantrisはプレイヤーの入力した単語と、出題した単語の関係性を判定している。AIが比較対象の関係性を内部でどう処理しているかについては、以前解説した「Visualizing High-Dimensional Space」の記事を参考にしてほしい。
Semantrisは、こうしたAIの一側面を、ゲーム性の高い楽しいコンテンツとして見せている。Webアプリとして公開しただけでなく、アーケードゲーム風にしてイベントに出展したこともあるという。
こうした体験を通じてAIに関心を持つと、AIの知識が増えて理解が深まり、AIの開発や実務への応用に発展していく可能性がある。
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