米AT&TのセキュリティラボAlien Labsは9月6日(現地時間)、Linux搭載のサーバやIoTを標的とする新たなマルウェア「Shikitega」を発見したと発表した。脆弱性を悪用して権限を昇格させ、感染した端末で暗号資産マイニングを実行したり、システムを完全に制御したりする。
Shikitegaは強力なMetasploitである「Mettle」をダウンロードして実行することで、Webカメラ制御やシェルコマンドの実行など、様々な攻撃を可能にする。
攻撃のプロセスは、「Shikata Ga Nai」(仕方がない)と名付けられたポリモーフィックXOR加法的フィードバックエンコーダを使ってデコードループを実行し、最終的なシェルコードペイロードがデコードされて実行されるまで、デコードを続ける。
デコードが完了すると、シェルコードが実行されてマルウェアのサーバに接続し、追加のコマンドを受信する。
こうして段階的に権限を昇格させていき、暗号資産マイナーをルートとしてダウンロードする。
一連のコマンドはメモリ内で自動的に実行されるため、ウイルス対策ツールによる検出が困難という。
AT&Tによると、Linuxを標的とするマルウェアとランサムウェアは650%近く増加し、2022年上半期には過去最高に達したという。
同社は管理者に対し、セキュリティアップデートで常にソフトウェアを最新の状態に保つこと、すべてのエンドポイントにウイルス対策やEDRをインストールすること、バックアップシステムを使ってサーバファイルをバックアップすることを推奨している。
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