要のフォダブルOLEDパネルは、シャープのパネル部門が分社化して設立されたシャープディスプレイテクノロジー(SDTC)製。マルチタッチに対応し、解像度は2560×2024ドット。輝度は600ニトと高くHDR表示に対応する。付属のスタンドで、横置きだけでなく縦置きも可能だ。
フォダブルパネルは、完全に折りたたむことができないため、ヒンジ部分にマージンを確保する必要がある。初代モデルは、このマージンを確保するために「U字曲げ」構造を取っており、マージン部分をワイヤレスキーボードの収納スペースとして活用していた。
新型では、本体をピッタリ折り畳めるようマージンを最小にする「雫型曲げ」を実現。フォダブルPCにありがちな本体の厚みを抑えた。なお、初代モデルでディスプレ内に収納していたキーボードは天板部分にマグネットで固定できる。
フォダブルデバイスは、こうした技術的難易度が高いことからパーツメーカーとセットメーカーで技術的なすり合わせが必要となる。新型の雫型曲げは、SDTCの開発拠点が堺、多気、亀山にあり、レノボが構える大和研究所(横浜)と地理的に近く、担当者どうしが頻度高く調整できたことで実現したという。
SDTCは、PC向けの液晶パネル生産で培ってきた中型向けバックプレーン技術、2004年に研究開発を始め、2018年からスマートフォン向けに生産している高精細OLEDパネル技術を持つ他、NHKと共同で30インチのローラブルディスプレイを開発したり、フォダブル/フレキシブルパネルの試作をこれまで手掛けており、フレキシブルOLEDパネルを構成する要素技術を培ってきたという。
フォダブルOLEDパネルは海外勢が大幅に先行しており、初代モデルではLG製のパネルを採用していた他、サムスンも「Galaxy Z Fold」などで自社製のフォダブルOLEDパネルを採用。すでに第4世代目が発表されており熟成を進めている。ディスプレイ大手の中国BOEもフレキシブルパネルを供給しており、すでにASUSの「Zenbook 17 Fold」などで採用されている。
シャープを選定した理由として、レノボ・ジャパン執行役員常務で大和研究所のトップを務める塚本泰通氏は「詳しいことは言えないが」としつつ、「パネルの選定には、サイズや狭額縁、消費電力など、さまざまなファクターがある。パネルごとに特徴があり、今回の製品にあったものを選定した」と説明している。
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