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画像生成AIは悪なのか? マンガ家の端くれが思うことサダタローのゆるっとマンガ劇場(1/4 ページ)

» 2022年10月15日 09時00分 公開
[サダタローITmedia]

 有名Vtuberが次々とAIによるファンアートに対して苦言を呈したり、画像投稿サイトなどではAIで作った画像を区別、規制するところも増えたりとまだまだ話題の尽きない画像生成AI。各所でその取り扱いに困っている印象です。それじゃあ画像生成AIは悪なのかというと、ボクはそんなことはないと思っています。

 AIが進化することでこれまで画に興味のなかった人のキッカケになるかもしれないし、興味があっても自分の画力に自信がなかった人にとっても有益なツールになるでしょう。すでに創作活動をしている人にとっても背景やディティールを描く手間を省いてくれたりと作業の効率化に貢献してくれそうです。そもそも、技術の進歩は最早止めようがないとも思いますし。

 権利関係の法整備(それが必要なのかも含めた議論の不足)や判例などがない点は怖い面もありますが、なにより感情的な部分では、ボクらが時間をかけて培ってきたスキルを短時間で学習されて高水準のイラストが生み出されるのは複雑な思いです。

 しかもAIが生成した画像を自分の創作物として公表したり、商売にしたりするのを目にしたら誰でも良い気はしません。ただしこちらはAIというより人間の問題だと思います。

 理屈ではむしろ歓迎したい画像生成AIだけど、感情的にはモヤモヤしたものがある……というのがボクの現在の印象です。今後、様々なルールが決まっていく中で、納得できることが増えていくといいな、と思っています。

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