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芸術の秋に音楽で遊ぼう! 太鼓を鳴らすサルから、シンセサイザーの原理までWebブラウザで楽しめる「Chrome Music Lab」遊んで学べる「Experiments with Google」(第23回)(1/2 ページ)

» 2022年10月22日 08時00分 公開
[佐藤信彦ITmedia]

 「Experiments with Google」は、Googleが人工知能(AI)や拡張現実(AR)といった最新技術の可能性を示すために、実験的な応用例を紹介するショーケースだ。膨大なコンテンツを公開しており、その多くはスマートフォンやPCで試せる。

 この連載では、多種多様な応用例の中から興味深いものをピックアップ。実際に遊んだ体験レポートを通して、裏側にあるテクノロジーや、技術の活用方法とその目的を解説する。

 読者の皆さんも、ぜひ自分の手で試しながらその仕組みを学んでもらえたらうれしい。きっと、最新技術の魅力に気付くはずだ。

「Chrome Music Lab」で音楽を楽しもう!

 10月は芸術の秋をテーマに、音楽を題材にしたコンテンツを取り上げている。そこで今回は、さまざま方法で音楽を楽しめるWebアプリを取りそろえたコンテンツ「Chrome Music Lab」を取り上げる。

 音楽と一口に言っても、それが指す範囲は広い。歌唱や楽器の演奏、作曲、音楽理論、音そのものの研究などを挙げられる。これらの技能や知識を身に付けて楽しもうとしても、なかなか難しいのが現実だ。

 Chrome Music Labは、こうした多彩な音楽や音について遊びながら学べるWebアプリを集めたコンテンツだ。2022年10月時点で14のコンテンツを公開している。

 内容はピアノの演奏や音の解析、リズム遊びなど、多彩なアプリがある。どれもデザインがかわいらしく、子供でも使えるほどシンプルなアプリなので、詳しい説明がなくてもすぐに楽しめるだろう。ここでは、そんなアプリをいくつか実際に使っていきながらChrome Music Labの魅力を紹介していく。

photo 音楽や音に関する多彩なWebアプリがそろっている(出典:Google)

サルと一緒にリズム遊びをできる「RYHTHM」

 1つ目は、サルとリズム遊びを楽しむWebアプリ「RYHTHM」(リズム)を試してみる。

 起動すると、サルの親子が楽器を持って登場する。担当している楽器は親サルがティンパニー、子サルがトライアングルだ。

 画面の下には、3つの点が並ぶグリッドがある。各楽器をどのようなタイミングで鳴らすか指定するもので、グリッドの点は一番下が低音のティンパニー、真ん中が高音のティンパニー、最上段がトライアングルに対応している。横方向は時間の進行を意味していて、これは楽譜と同じだ。

 好きな点をクリックして鳴らす楽器を決める。グリッドにリズムを打ち込み終えたら再生ボタンをクリックしよう。すぐにサルたちが演奏を始めてくれる。

photo いろいろな生き物とリズムで遊ぼう

 また画面右にある矢印をクリックすれば動物を変えられる。頭に角を生やした正体不明のキャラクターが登場し、ドラムの一種であるフロアタムとスネア、ハイハットを演奏する。またリズムも変わり、サルが3拍子だったが4拍子になった。選べる動物はこの他に、5拍子でウッドブロック(木製の打楽器)を演奏する謎の生き物や、6拍子でコンガとカウベル(たたいて音を鳴らす楽器)を演奏する謎の生き物もいる。

 このRYHTHMは、リズムとは音のパターンであることを学べるコンテンツだ。RYHTHMでできることは以上だが、リズムのパターンや楽器を変えて楽しんだり、一緒に歌ったりすれば遊び方は広がる。拍子も種類が豊富なので、大抵の曲の伴奏に使えるだろう。

サルは3拍子のリズムを刻み、謎の生き物は4拍子で演奏する

“音の中身”を美しく可視化する「SPECTROGRAM」

 2つ目は、人間の耳には一つに聞こえる音が、実は多くの音の集合体であることを視覚的に表すWebアプリ「SPECTROGRAM」(スペクトログラム)を紹介する。再生する音の中にどのような周波数の音が含まれているか、いわば“音の中身”を美しいグラフィックスで表現してくれる。

photo 音の周波数分布を美しいグラフィックスで表現する

 画面下に並んでいるボタンで再生する音を選べる。例えば左から3つ目のボタンはフルートで、押すとドレミファソラシドの音階を奏でる音が流れる。音程が高くなるほど、画面に表示された周波数の帯も上部に移動した。上に行くほど周波数が高く、音の高低は周波数の違いであると分かる。さらにきれいな階段状になっているのも面白い。

 そして色の濃い線だけでなく、薄い線が何本も並んでいる点に注目したい。つまり、フルートの音色は、基本となる周波数の音に加え、倍音と呼ばれる複数の音で構成されているのが目で見て分かる。

 この倍音の混ざり具合が、楽器やさまざまな音の特徴を決めているのだ。他のボタンを押して、別の音に切り替えてみよう。音の種類によって倍音の構成がガラッと変わり、音色の違いが一目瞭然になる。一番左のマイクボタンを押せば、自分の歌声をリアルタイムに解析することも可能だ。

音の周波数を美しく表示する。音色によって異なる倍音の構成が一目瞭然だ
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