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光で髪を乾かすドライヤー「Zuvi Halo」、販売元に聞いたその原理と“向き不向き”分かりにくいけれど面白いモノたち(2/3 ページ)

» 2022年10月27日 08時00分 公開
[納富廉邦ITmedia]

髪の表面温度の上昇を抑えるメリットも

 要するに、髪に残っている水滴は風で吹き飛ばしながら、髪の表面に付着している水分は赤外線によって蒸発させる、というのが、このドライヤーの基本原理だということだろう。その結果、髪の内部の水分は乾かさないまま表面を乾かすという状態になり、使った時のしっとりした感触や髪が痛んでいない感じといった使用感につながっていると思われる。確かに、その感じは実感できる。

熱くないので顔に近づけて使うことも可能。筆者の家族は、実際に日常生活で使っているが、髪や肌へのダメージが少なく、乾くけれど潤いが残る感じが気に入っている

 この方式の最大のメリットは髪の表面温度の上昇を抑えられることだ。「他のメーカーでも最近のドライヤーは、低温化というのはトレンドになってきていますよね。ただ現状では大体60℃前後あたりを超低温といったりしているのですが、この方式だともっと下にいけるんです。やや温かい風も出ているんですけど、それは、乾かすというよりも体感温度の調整なんです。我々の試験環境で大体44℃くらいに保ったままで乾かせるようにしています」。

 確かに、体感的には温い風が吹いている感じ。風呂上がりに使うと身体の表面が温まっていることもあって、ちょうどいい感じの温度だ。これなら真夏でも真冬でも問題なさそうに思えた(実際に使い始めたのが、9月からだったので、まだ本気で暑い日も本気で寒い日にも使っていない)。「あと、熱風と違って周囲の気温を上げないというのもメリットだと考えています。(狭い)洗面所などで使うことを考えたら、季節とは関係なく気温は上がらない方がよいかと」と川中さんは補足する。

 実際に使っていても、熱風ではない分、地肌が乾燥し過ぎず、湿度が低い季節に頭がかゆくなるといったことがなくなるのが有り難いと感じる。気のせいかもしれないけれど、毎日使っていての個人的な感想として。

乾燥速度を横軸、温度を縦軸に取って、ドライヤー製品を配置してみた図。ドライヤーを使った際の髪の熱画像比較に基づいて作図されている。使ってみた印象も、大体、こんな感じだ

 熱を使わないことで、省電力になっているのも特長だという。「(電熱線に比べ)モーターを回したり、光を発するという部分ではそれほど電気は使わないんです。風に少し熱を与えている分で電気を使うのですが、それでも定格最大電力量は680Wに抑えています。風がちょっと熱いなと少し顔からドライヤーを離したりする必要がない分、エネルギーのロスも少ないかなと思っています。商品のコンセプトとしても、電気を上手く使おうということがありましたから、その辺りは細かく考えて設計しています」。

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