アナログのサンプラー、古代のサンプラーなどと表現される「メロトロン」という不思議な魅力を放つ鍵盤楽器があります。メロトロンを「マネ」したiOSアプリ「マネトロン」の開発者である山崎潤一郎がメロトロン愛を炸裂させます。その行く末は……。
前回の記事「メロトロンアプリ『Manetron』、ついにAndroid対応へ 開発環境は? レイテンシー問題は?」から4カ月近くを経てようやくアプリのリリースにこぎ着けた。
まず、先行してiPhone/iPad版が10月中旬にApp Storeで「The Manetron」として登場。メロトロン・シミュレーターとしては3代目となる今回は、『金属恵比須』『Damian Hamada's Creatures』『ロマネスコ』といったロックバンドで活躍する宮嶋健一氏が所有するシリアルナンバー419の実際のメロトロン「M400S」からサンプリングした。
搭載する音色は、「Flute」「3violins(Strings)」「Cello」「8-voice Choir」「Brass」という定番に加え、ボーナス的な位置付けで「Bungalow Bill」というレアな音源も加えている。これは、ザ・ビートルズの楽曲「The Continuing Story of Bungalow Bill」のイントロで流れるサンプリング音そのままだ。
スパニッシュギターをフレーズサンプリングしたものなので、鍵盤をワンタップするだけで、あの名曲のイントロがそのまま鳴り響く。ただ、この一発必殺フレーズには音階という概念が当てはまらないので、一番下の「ソ」から最高音の「ファ」まで白鍵黒鍵を含めどこをタップしても同じ音が出る。
実機では、「Bungalow Bill」のテープトラックを選択すると、出音は、最下部の「ソ」にだけ割り当てられて、他の鍵盤を押しても何も音がでないようだ。だが、それを知らないユーザーを「音が出ない!」と路頭に迷わせるわけにいかないので、The Manetronでは全ての鍵盤に同じ音を割り当てた。
iPhone版は1段鍵盤なので無理だが、2段鍵盤のiPadの場合、上鍵盤と下鍵盤で異なる音色を割り当てられる。出音をステレオスピーカーの左右に割り振るパンポットツマミを鍵盤ごとに搭載したので、iPad裏の左右のスピーカーそれぞれから異なるプリセット音を出すこともでき、メロトロン2台のアンサンブルも可能だ。
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