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一太郎って誰が使っているの? 38年目、「一太郎2023」がデビュー

» 2022年12月01日 13時30分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 ジャストシステムは12月1日、日本語ワープロソフト「一太郎2023」を発表した。2023年2月10日から、量販店店頭や直営オンラインショップなどで発売する。

日本語ワープロソフト「一太郎2023」とATOKの新バージョン「Tech Ver.33」

 初代一太郎が登場した1985年から38年目にあたり、70年ぶりに改訂された公用文のルールへの対応や、規定や指針、会則や契約書の改定時に作成する相違点比較表の自動作成機能などを盛り込んだ。

相違点比較表の自動作成機能は、規定や契約の改定時に役立つ(画面は開発中のもの)

 日本語変換システムの「ATOK」も「Tech Ver.33」となり、6年ぶりに変換エンジンを改定。個人による入力の特徴を抽出し変換に生かす「パーソナライズドコア」を搭載する。直近の変換結果にとらわれず、過去の総合的な変換傾向から変換を行う。例えば、日常的に「単価」という変換を行っているビジネスパーソンの場合、一時的に「短歌」などの変換を行っても、「単価」が優先的な候補として表示される。

 昨今、ソフトウェアのサービス化やサブスクリプションが増加しているが、一太郎は引き続きパッケージとして販売。通常版が2万7500円、三省堂国語辞典や図形描画ソフトの「花子Personal」などが同梱された「一太郎2023プラチナ」が4万7300円となっている。

ユーザーの多くは50代、60代。ただし若者の取り込みも

 日本のコンピュータソフトの歴史だともいえる一太郎。いったいどんなユーザーが使っているのだろうか。ジャストシステムによると「長く開発しているソフトなので、50代、60代のユーザーが多い。仕事で使う人もいるし、学校で使う人もいる」という。

 最近ではWordへの移行が進んではいるものの、一太郎には公文書作成を意識した機能が多く中央官庁での利用も多いといわれてきた。特に、裁判官や検察官、弁護士の間では、法関係の書類作成の強さから、根強いファンがいるという。新バージョンでも、1桁の数字は全角、2桁は半角になる連番表示機能も追加され、契約書などを意識していることが見て取れる。

強化される機能を見ると、公用文書や法律文書の作成を意識していることが分かる

 一方で新規ユーザー層の開拓にも力を入れている。「若いユーザーにも使ってもらえるような機能強化を意識している。最近増えているのが小説を書く人。コミックマーケットなどで、小説を書く人向けの機能強化は引き続き行っている」

 日本語の校正機能も注力点の一つだ。新バージョンの一太郎から新たに搭載する「JUSTチェッカー」は、Webブラウザのフォームに入力した日本語をチェックするソフト。誤字脱字や表現をリアルタイムにチェックし、通知してくれる。カジュアルな文章のほか、「論文・レポート」「ビジネス」「公用文」「公用文(解説・広報)」「小説」「Web記事」と複数の校正設定を備え、用途ごとに適した校正を行ってくれる。

JUSTチェッカーは、Webブラウザ内で入力した文章をリアルタイムでチェックしてくれる

 デファクトスタンダーであるWordへの統一圧力がかかり、ワープロ機能自体のオンラインサービス化も進んでいる。長年愛用するユーザーの多い一太郎は、うまく新規ユーザーを開拓できるだろうか。

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