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Visaのタッチ決済、コンビニで利用増 2021年の2.3倍に 「クレカ決済の2件に1件」

» 2022年12月19日 18時05分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 Visaなどクレジットカード国際ブランドが推進している「タッチ決済」の普及が加速している。ビザ・ワールドワイド・ジャパンによると、コンビニにおける7〜9月のタッチ決済利用状況は、昨年同時期に比べ2.3倍に増加した。「カード決済の2件に1件がタッチ決済」(デジタルソリューションズ ディレクターの今田和成氏)

 2019年9月時点では、タッチ決済対応カードの発行枚数は1000万枚だったが、3年後の22年9月末には8700万枚に増加。国内のタッチ決済対応端末の数も150万台以上に増加した。

 コンビニ以外でのタッチ決済も増加している。実数は明らかにしていないが、21年7〜9月との比較で、ドラッグストアでは3.9倍、飲食店では2.9倍、スーパーでは2.1倍と増加。昨今実証実験から商用化へと進みつつある公共交通機関の利用は5.3倍になったという。

 コンビニにおいてカード決済の半分がタッチ決済となったのは、他業種に比べ導入が早期に進み、認知が上昇しているのが理由だ。ローソンが18年1月に導入したのを皮切りに、セブン-イレブンが20年6月、ファミリーマートも21年4月から利用可能となり環境が整った。

 ただし飲食店などでは、決済端末がタッチ決済に対応していても契約の問題でタッチ決済が利用できない場合も多い。「ハードウェアが対応していてもソフトが対応していないところがたくさんあることは認識している。Visaのタッチ決済が利用できるお店であることを示す、アクセプタンスマークの普及に力を入れていく」(今田氏)

 また、「タッチで」と伝えても店員が認識しておらずスムーズに決済が行えない状況がまだあることも認識している。タッチ決済は、「NFC決済」や「コンタクトレス決済」などとも呼ばれ、名称が統一されていないのも分かりにくくしている要因の一つだ。「タッチ決済という名称の統一なども進めていく」(今田氏)という。

 同社では、タッチ決済の普及推進にあたり、通常加盟店の増加のほか公共交通機関での利用を促進していく方針だ。

利用できる店舗の増加と使える公共交通機関の拡大は、タッチ決済普及の車輪の両輪だという

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