東海大学と富士通の共同研究グループは12月21日、超音波AI技術を用いて、冷凍マグロの鮮度を冷凍状態のまま評価することに成功したと発表した。世界で初めてだという。
冷凍マグロの品質判断は、尾の断面を熟練者が目視で確認する破壊的検査が主流だった。一方で、超音波を用いて非破壊で鮮度を検査する手法は、超音波の減衰の影響が大きいことが課題となっていた。
共同研究グループは、鮮度不良のマグロでは中骨からの反射波が特徴的であるという点に着目し、機械学習を用いて鮮度の判定を行うことに成功した。
右のように目視では判別不能な波形の違いも、AIを用いることで判別が可能になった。機械学習モデルの性能を、鮮度不良スコアが作るAUC-ROC(Area Under the Curve of the Receiver Operating Characteristic curve)を用いて評価したところ、性能が発揮できるとされる「0.7」を超える「0.791」の値を得たというマグロの身を切ることなく冷凍マグロの価値を維持しながら、場所を問わず誰でもマグロの品質評価が可能になるとしている。
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