公正取引委員会は12月23日、スタートアップ企業を巡る取引の問題に関する調査結果を発表した。スタートアップからは「営業秘密を盗まれ競合製品を売り出された」「報酬の減額や支払遅延があった」などの報告が寄せられた。
同委員会は取引・契約実態について尋ねる書面調査と、一部事業者への立入調査を実施。回答はスタートアップ791社、連携事業者・出資者5052社から得られた。
連携事業者との取引において、「PoC(技術検証)の成果ややり直しに対する報酬が払われなかった」「報酬の減額や支払遅延があった」などの問題が報告された。特にスタートアップと連携事業者の間で報告数に差が出たのは以下の項目。
出資者との取引においては、「契約にない無償での作業を求められた」「著しく高額な株式買取請求権を設定するよう求められた」などの問題が報告された。特にスタートアップと出資者の間で報告数に差が出たのは以下の項目。
その他、連携事業者・出資者を問わず「NDA(秘密保持契約)に反して営業秘密を盗まれ、競合商品・サービスを販売された」という問題をスタートアップ7社、連携事業者・出資者1社が報告した。
調査結果を受け、公正取引委員会は2022年3月に策定した「スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針」の周知徹底を図るとともに、違反行為についての情報収集と対処を進める。特に化学工業・情報サービス業・銀行業・金融商品取引業・商品先物取引業は重点的に指針を周知するとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR