第2位は「ChatGPT」でした。米AI研究企業OpenAIは12月1日(現地時間)に公開したばかりのAIチャットbotがこの短期間で流行語に名乗りを上げています。
ChatGPTは、文章で質問をすればAIが返答してくれるというサービス。これだけなら既存のチャットbotと変わりませんが、その精度に驚いた人も多いでしょう。人生相談にこたえられるのはもちろん、要件を入力すれば実際に動くプログラムも出力できます。日本語で自然にやりとりできるのも多くの人が遊んだ理由の一つでしょう。
「なぁAI……人生相談があるんだけど」 なんでも答えてくれる「ChatGPT」に50の質問ぶつけてみた
米AI研究企業OpenAIが公開したチャットbot「ChatGPT」が話題になっている。どんな質問にも真面目に参考になる答えを返してくれる。今回はこのAIに「人生相談」「子供の答えにくい質問」「論理クイズ」「数学未解決問題」など、50の質問をしてみた。
機能はシンプルですが、使う人のアイデア次第で可能性は無限大です。
第1位に選ばれたのは「イラスト生成AI」でした。最初に話題になったのは8月リリースの「Midjourney」。イラストの内容を文章で指定すると、それに沿ったイラストを生成できるAI。こちらもChatGPTと同様、それだけなら既存の画像生成AIと何ら変わりはないのですが、そのクオリティーの高さで一気に話題になりました。
「神絵が1分で生成される」 画像生成AI「Midjourney」が話題
人間の指示をもとに画像を生成するAI「Midjourney」がTwitterで話題だ。Discordでイラストのお題を投稿すると画像を出力する仕組み。
8月下旬には英Stability AIの画像生成AI「Stable Diffusion」がオープンソース化。これはAI業界に大きな影響を与えました。Stable DiffusionはLINEチャットbotやPhotoshopのプラグインなど、さまざまな場所で利用されるようになりました。
他にもOpenAIの「DALL・E2」、中国産の「ERNIE-ViLG」、AIイラスト生成もできる「NovelAI Diffusion」、高精細なイラストを出力できる「Anything v3.0」などが続々リリースされています。
AIで生成されたイラストだけの画集が発売された他、米国の美術品評会で1位になるなど、活躍の場も一気に広がりました。
一気に話題になった一方で、著作権などの懸念から反発もありました。特定のイラストレーターの画風を学習・生成できるサービス「mimic」はリリース当初、不正利用対策が甘いとして批判を受けました。
ピクシブはイラスト・小説投稿サービス「pixiv」において、AI生成作品と人間の作品をすみ分けできるよう機能を改修しています。バーチャルYouTuber事務所「ホロライブプロダクション」のタレントはAIイラストをファンアートとして投稿することについて「ファンアートは自分で描いて」とツイート。イラスト作成ソフト「CLIP STUDIO PAINT」にAI画像生成機能を試験搭載しようとしたセルシスは、ユーザーからの批判を受け搭載を見送りました。
9月にはStable Diffusionを使って水害が発生している静岡県をドローンで撮影したとするフェイク画像がTwitterで拡散され物議をかもしました。
イラスト生成AI業界が今後、健全に発展していくには、これらの問題意識や法的な懸念点に対していかに議論し説明していくかにかかっているといえるでしょう。
静岡県の水害巡りフェイク画像が拡散 画像生成AIを利用 投稿者はデマと認めるも「ざまあw」と開き直り
台風15号による水害被害が発生している静岡県を巡って、フェイク画像がTwitter上で拡散されている。「ドローンで撮影された静岡県の水害」という画像という画像は、画像生成AIで作成したフェイク画像だった。
挙げられたワードを「AI」「セキュリティ」などの分野別に分けた場合にも、AI分野が圧倒的な注目度を集めていました。流行語としては上げられませんでしたが、AI分野ではAIを使って執筆した小説が文学賞「星新一賞」で初めて入選したというニュースもありました。
その他では、兵庫県尼崎市の個人情報入りUSBメモリ紛失事件や医療機関で相次いだ不正アクセス事案などの情報セキュリティ分野とTwitter関連ニュースが上位に入りました。メタバースやNFTなどのWeb3関連用語も比較的注目を集めていました。
票数は少ないながらも挙げられたワードとしては楽天三木谷社長の「0円でずっと使われても困っちゃう」や、サッカー「FIFA ワールドカップ カタール 2022」大会で注目を集めた「ABEMA」「CDN」、の他に「半導体不足」などがありました。
22年を振り返れば、素晴らしいこと、批判すべきことが他にもたくさん見つかるでしょう。大規模インシデントはどうすれば影響を抑えられるのか、AIとはどのように付き合っていくべきか、Twitterの今後はどうなるのか。
23年も引き続きよろしくお願いいたします。
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