この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「Docker Desktop 4.16登場。AWSをローカルエミュレーションするLocalStackなど拡張機能が正式版。AppleシリコンMacでx86/amd64版Linuxバイナリの実行がβ版に」(2023年1月16日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
WindowsやMac、Linuxなどのマシンに対して手軽にDockerコンテナ環境を導入し、GUIで統合管理できるDocker Desktopの最新版「Docker Desktop 4.16」が正式リリースされました。
Docker Desktop 4.16では、サードパーティーがDocker Desktopの機能拡張を行える「Docker Extension」が正式機能となりました。Docker Hubから、現時点で30種類を超えるさまざまなExtensionを読み込めるようになっています。
代表的な拡張機能の1つがAWSの主要なサービスをローカルでエミュレーションする機能を備えた「LocalStack」です。
LocalStackはAmazon EC2やAmazon S3、Amazon SQSといった基本的なAWSのサービスだけでなく、Amazon DynamoDBやAmazon RDSなどのデータベースサービス、AWS Lambda、Amazon EFS、Amazon Glacier、Amazon API Gateway、AWS Backup、AWS CloudFormationなどを含む75種類以上のAWSのサービスをエミュレーションできます。
Docker ExtensionのLoalStackを用いることで、Docker DesktopにLocalStackの機能を簡単に組み込んで操作できるようになります。
そのほかDocker Extensionとして、ボリュームのバックアップや共有が可能な「Volume Backup & Share」、ディスクの使用量を示す「Disk Usage」、すべてのコンテナのログを集約して参照できる「Logs Explorer」など30種類以上が公開されています。
また、Docker Desktop 4.16のリリースノートには記載されていないものの、Docker Desktop for Mac 4.16では、Appleシリコンプロセッサ搭載のMacで、x86/64版Linux用バイナリのDockerイメージを実行する機能がベータ版として搭載されたと、Docker社のプロダクトマネージャChris McLellan氏が1月10日付けで報告しています。
この機能を支えているのがmacOS 13 Venturaの新機能です。
macOS 13 Venturaでは、Appleシリコンでx86/amd64をエミュレーションするRosettaを、macOSの仮想化フレームワークであるVirtualization Frameworkがサポートしました。これによりAppleシリコンのMacで稼働する仮想マシン上のARM Linuxで、x86/amd64版のLinuxバイナリが実行可能になりました。
これをDocker Desktop for Macでも利用できるようにしたことで、AppleシリコンのMacにおいてx86/amd64版LinuxバイナリのDockerコンテナイメージの実行が可能になるとされています。
そのほかDocker Desktop 4.16では脆弱性を検出するためのDockerイメージのスキャン速度が4倍になるなどの改善が行われています。
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